カープがこれからも勝ち続ける「7つの理由」 ぐっちーさんが広島の強さを数字と心で検証

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投げてはジョンソン、野村が14勝で突っ走り、黒田もここぞという時に連敗ストッパーとなり、なんといっても今村、大瀬良、一岡の「カピバラ3兄弟」の復活はすごかった。

そして現在リーグホールドNo.1という驚きのジャクソンに、中継ぎ、先発と大車輪の活躍のヘーゲンス。よくもこういう外国人を発掘してくるものだと感心しきり。特に外国人選手の活躍の度合いは、他球団がうらやましがる訳です。そしてなんといっても試合の最後を締める中崎投手。鬼神の如きピッチングに、カープファンは酔いしれました。

そして緒方監督。優勝を決めた9月10日の試合が今年のすべてを凝縮したような采配となり、ここぞという時に動揺せず、そこはまさに動かざること山の如し、去年のように左投手が出て来たから機械的に左の松山や安部に代打を送る、というようなことをしなくなった。そして何よりタナキクマルを完全に固定したのは快挙であり、優勝に大きく貢献いたしました。

自前で選手を見つけ、育て、優勝した

そしてここで特筆すべきは、例えばこの9月10日のレギュラーは、すべての選手がドラフトで獲得した選手で、カープが自前で見つけて来た選手だということ。黒田さん、新井さんもカープがドラフトで指名した選手で「中抜き」がありますが、言って見れば、すべて自前で見つけ、育て、そして優勝した、というこの点が特筆すべき点なのです。「カネで選手さえ集めれば」という考え方がまかりとおっているとしか思えない、ウサギやタカのチームにはマネできない、まさに「これぞカープだ」、という王道を極めた優勝だった、というのが極めて価値が大きく、まさにファン冥利に尽きる訳であります。

25年ぶりの優勝ということが良く言われますが、これにはやむを得ない事情が隠されています。前回優勝した1991年の2年後の1993年に、ウサギの某球団のオーナーの強引なやり方で、ドラフト制度における逆指名制度が導入されました。そしてそのオフには今度はFA(フリーエージェント)制度が導入となりました。

これではおカネのないカープは、全く良い選手が獲得できない。しかも、FAによって選手は取られ放題取られました。古くは川口、江藤といった主力選手、そして最近では金本、新井と要するにカープの4番打者はほぼ狙い撃ちにされ他球団に持ってかれたのです。

次ページ他のチームに真似できないカープの「伝統」とは
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