瀬古チーム、“駅伝日本一"への重圧

DeNA陸上チームが発足、マラソン選手育成は後回し

3月末で廃部したヱスビー食品陸上部。かつての日本男子マラソンのスーパースターで、“長距離界の顔”とも言える瀬古利彦氏が率いる名門チームが、ソーシャルゲーム大手のDeNA(ディー・エヌ・エー)へ移籍した。

DeNAは4月3日、東京・渋谷ヒカリエの本社で、陸上チームの正式な発足とユニフォームやチームロゴ、新規加入選手の披露などを兼ねた結団式を開催した。チーム名は「DeNA Running Club(DeNAランニングクラブ)」。瀬古氏を総監督に起用。旧ヱスビー陸上部に所属していたメンバーを中心に、監督、コーチ、選手9人の総勢12人体制で活動を開始した。

「ある意味、ひとつの奇跡」

「ある意味、ひとつの奇跡。全員を受け入れてくれる。(そんな企業は)もうないのかと内心思っていた」。同日、結団式に登場した瀬古氏は、開口一番こう切り出した。長引く経済低迷で企業スポーツは縮小の一途をたどっている。連日メディアに露出し、おカネを払って試合を見に来る客がいる野球やサッカーならともかく、正直言って「儲からないスポーツ」の陸上競技に、新たに参入しようとする企業は間違いなく少数派だ。

瀬古氏が「人生をかけて恩返ししたい」と言うほど苦しんだ中で、救いの手を唯一差し伸べたのが、今の日本で隆盛を誇る企業のひとつであるDeNAだった。

2011年からプロ野球チーム「横浜DeNAベイスターズ」を保有するDeNAは、スポーツに積極的な取り組みを見せるが、瀬古チームを受け入れるに当たっての考え方は、実はシビアだ。五輪(オリンピック)を含む各種世界大会の代表選手輩出とともに、箱根駅伝と並ぶ正月恒例の「ニューイヤー駅伝(全日本実業団駅伝)」の2016年大会における優勝を目標に掲げた。

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