パリの男女がハマる「50代思春期」の衝撃実態 男友達を娘とシェア…まさに"幸年期"

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フランスというと、成熟した大人社会を思い浮かべる方が多くいらっしゃるでしょう。エレガントでシック、年齢を経るごとに身につく品格と風格が定番であります。わたくしが以前より憧憬して、そうした情報を日本の皆さんに、一生懸命送ってきたつもりです。

ところが「50代の思春期」とは、いったい何たることでしょう! 大人になりたくない? 永遠のティーンエージャー? 寝ぼけているのか、ホントにボケてきたのか……。いち早く傾倒していったのは、男性でなく女性だったよう。若ぶったヘアメイクに身を固めていま風の若者クラブに出入りし、娘とTシャツのみならずbf(ボーイフレンド)までシェアする(!)。ミッドライフクライシスに悩んでいた男性は出遅れたようです。

カンカドは自分を、本気で若いと思い込んでいますので、精神年齢が同程度の(20〜30歳も年下の)友人や恋人を持ち、ニューテクノロジーに夢中で、SNSやコミケに熱中しています。

「好きな時に好きなことをして何が悪い!」と言われればそれまで、経済的にも潤沢だとすれば「我輩の辞書に不可能はない」となってしまいます。――もう手のつけられない、大きな図体のわがままな子どもですね。

その差、平均で13歳…実年齢より「若く見えると思う」

世間は持てあまし気味かと思うと、そうでもなさそうです。本物の若い世代は、「若造りが極端だと笑っちゃうけど、別にいいんじゃない。歳とって辛気臭くなるよりはね」と。さすが個人主義の国で、どっちがオトナかわからない状態です。

カンカドを造語した社会学者(Serge Guérin)によると、1968年の5月革命以後の社会では、親が子どもに対して権威を振るわない傾向が出てきたとのこと。カンカドの場合、親子は“友だち関係”といったほうがいいとも。

45歳から60歳までの女性を対象としたアンケート調査によると、ほぼすべてが「人生はうまくいっている」と答え、90%が「(自分は実年齢より)若く見えると思う」と答えています。その差の平均は、実年齢より13歳も若いというから驚きです。

女性たちは、50代を「成熟した女性の美しさが開花する新しい人生のスタートの時」と考えています。だから「いつでも日常を抜け出し旅に出る準備がある」人は70%、「タトゥーをいつでも入れられる」人だって5人に1人はいます。

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