なぜパリの男女は加齢しても「枯れない」のか 話題の「パリマダ」に学ぶ生涯恋愛現役の極意

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更年期あたりを境に、フランス人が断然「美しさ」で巻き返して来る理由とは(写真:jaspe / PIXTA)
「男が強さやセクシーさで勝負する時代は終わったね」
アンドレ/56歳
スーパーエグザクティブビジネスオーナー、世界中に20もの会社を所有

 

はじめまして、岩本麻奈と申します。皮膚科専門医で、一般社団法人・日本コスメティック協会代表理事でもあります。

美容コンサルタントとして美容健康知識の伝搬(コスメリテラシー)に注力しながら、パリと東京の往復生活は早20年。肉眼で確認することのできる身体最大の“臓器”であり、外部環境と体内環境によって形状が変わる皮膚を、長年医療と美容の観点から検証してきました。

究極の課題は「シミ」「シワ」ではない

ところで、この世で私たちを最も脅かすものは何でしょう? それは時間です。死に向かう時間がもたらす経年変化で、青年期の美しく滑らかな肌には、次第にシミ、シワやタルミが現れてきます。肌だけではなく、筋力や身体制御も劣化トレンドをたどります。

むろん、映画『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』のように時間を巻き戻すことはできない。しかし、少しでも時間に抗うのがアンチ・エイジング(抗老化)医学です。

そもそも皮膚科は、文字通り薄皮一枚を生活の糧としている身ですので、人智の限界を知りつつ、アンチ・エイジングという「時間を止める」かのようなフィクションに加担しながら、しかしそのフィクションに人智を集約しようとします。どういうことかというと、究極の課題は「シミ」や「シワ」ではなく、「いまここの美しさを保つこと」以外にありません。そう、人智は「美しさ」に集約されるのです。

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