ドーナツにブランド品、女心掴むマックバカ OB・香坂伸治氏に聞く

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お店作りは楽しい思いです。当時、オープニングのためにアルバイトを100人くらい採用しましたが、本当にいいメンバーが集まった。クリスピーを辞めてかなり経ちますが、いまだに彼らとは付き合いがあります。

――クリスピー・クリームは何が成功の要因だったのでしょうか。

1号店を開けたのが2006年12月15日。1日の売り上げ、1週間の売り上げ、月間売り上げ、年間売り上げ、すべてでクリスピーの持つ世界記録を塗り替えました。クリスピーはちゃんと1940年代の内装を表現して、あそこでドーナツを食べればクリスピーの世界観の中で味わえるということがポイントです。

ドーナツから高級ブランド品へ

――その後、ブランド品の買い取り・中古販売「銀蔵」に移りました。マクドナルド出身者として外食企業を渡り歩く人が多い中、なぜ別業界に転じたのでしょうか。

ずっと外食をやってきたので、違うことをやりたかった。マクドナルドも、クリスピーもそうですが、食べ物の流行を決めるのは女性。女性が「おいしい」「行きたい」と感じたものを追っていれば、食いっぱぐれることは絶対にありません。ましてや銀蔵は中古品ですが、あらゆるブランドを扱うことができる。ロレックスだったらロレックス、ルイヴィトンだったらルイヴィトンというブランドイメージが確立されていて、僕らがいまさら語る必要はない。しかも自分で買い取りの値段を決めて、売る値段まで決められる。こんなビジネスはほかにありません。

――今後の展望は。

為替が円安に振れたおかげで、中国や東南アジアからのお客様がたくさんきている。売り上げは為替以上のペースで伸びています。消費税の増税が見込まれているので、なるべく今のうちに全国から商品を集められるような買い取りルートを構築することが必要です。そのためにはインターネットを活用した買い取りとか、同業種ではないが、客層が近い会社とアライアンスを組むようなことを考えています。加えて、どこから仕入れれば今いちばん安いのか、どこに売れば今いちばん高く売れるのかということを、世界地図と為替レートをにらめっこしながら考えています。

マクドナルド時代、パチンコ店への出張宅配「パーラーM」から、クリスピー・クリームでぶっちぎりの世界記録達成と、華々しい経歴を持つ香坂氏。今度はロレックスやヴィトンを手に世界のブランド市場開拓をもくろむ。ハンバーガーからドーナツに高級ブランド品、マックバカに売れないものはないようだ。

(撮影:尾形文繁)

松浦 大 東洋経済 記者

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まつうら ひろし / Hiroshi Matsuura

明治大学、同大学院を経て、2009年に入社。記者としてはいろいろ担当して、今はソフトウェアやサイバーセキュリティなどを担当(多分)。編集は『業界地図』がメイン。妻と2人の娘、息子、オウムと暮らす。2020年に育休を約8カ月取った。

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