私の下にキャリア相談に来る女性医師に「なぜ医師になったのか?」とよく聞きますが、
・手に職をつけるという意味で親に勧められた
・成績がよく、医学部受験を勧められた
・もともと医師に関心があった
という回答を多く耳にします。女性であっても一生涯続けられる仕事であり、社会的に信用もあるということで医師という職業は人気があります。特に成績がよいと周囲の勧めもあり、医学部を志す女性が多くなってきているようです。
特に地方では、勉強ができて向上心が強い女性に合った仕事というのが医師以外にはあまりなく、教育熱心な親ほど自分の子供を医師にしたいという希望が強いと聞きます。本人にとっても医師になっておけば、その後の人生において「外れ」はないということで、特に地方の医科大学は女子学生の比率が軒並み高くなるのです。
日本では、医師だけでなく、女性の社会進出がまだまだ進んでおらず、国や企業も女性の就業支援を活発化しているところです。これから女性医師が増えるのは大変喜ばしいことではありますが、一方で、悩ましい問題もはらんでいます。
女性医師にも同様に来るM字カーブ
というのも女性の場合は、医学部卒業後ずっと常勤で勤務する医師は少なく、一般の女性と同じように、その就業率は年齢に合わせてM字カーブをたどります。結婚・出産や子育てといったライフイベントで、多くの女性医師が常勤(=正社員)として働くことをあきらめ、非常勤(=アルバイト)としての勤務を余儀なくされる傾向が強いのです。
上の表を見ると、男性医師に比べて女性医師は医学部卒業後から就業率が減少していき、35歳あたりで76%と最低になった後、再び就業率が回復していく、となっています。
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