バリバリのキャリアウーマンにはなれない?
以前、あるシンポジウムに出席したことがあります。テーマとしては「女性医師が長く安心して働くため」といったものでした。
講師は50代のベテラン女性医師2名。どちらの医師も大学の医学部で管理職を経験した“バリキャリ”な女性医師です。
話の内容としては、若いときの苦労や結婚、出産、その後の復職までいかにキャリアを継続させたかといったもので、「皆さんもぜひそういった生き方をしてください!」というメッセージを送っていました。
私は非常に感銘を受け、やはり女性医師としてキャリアを継続するのは大変だけど、やりがいがある仕事だなぁと感動して話を聞いておりました。
終了後、出席者の反応が気になり、ある30代の女性医師とお話ししたのですが、
「正直なところ、あんな働き方はできません!」
とキッパリ。
その医師は大学医局で35歳くらいまで勤務し、その後、結婚、出産を経験しました。現在は2人の子育てに奔走中で、保育園や幼稚園の送り迎えに加え、家庭での家事についても、妻である彼女が中心にやっています。当然、医師としてのキャリアを閉ざすつもりはないようですが、彼女としては一定の経験を積み、専門医の資格も取得したため、これから何か新たに経験したいことはないようです。しかも夫も医師で、経済的にはまったく問題ないため仕事はパートで十分という考え方でした。
結局のところ、先程のベテラン女性医師が勧めるような働き方を続ける明確な理由がないのです。
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