日本で“バリキャリ”女医が生まれないワケ 女医3人で男性医師1人分?

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しかしながらこの表ではわからないのですが、一度、結婚や出産をした医師は、復職しても常勤として働く割合が減少します。具体的には、勤務したとしても週3~4日の常勤勤務、もしくは週1~2日の非常勤勤務をするケースが多いのです。

したがって女性医師が3~4人が復職しても、実際のマンパワーでの比較においては、男性医師1人分にしかならないということもありえます。

こういった事実があるため、女性医師をいくら増やしても、医師不足は解消しないという議論が起こるのです。

医師なのにもったいない!!

医師のキャリア相談を行っているわれわれの会社も、ご登録いただく先生の半分近くが女性医師です。なぜ、女性の医師のキャリア相談が多いのか。これは、男性に比べてライフキャリアの節目(結婚、出産、子育て、夫の転勤など)が多く、その都度仕事を変えていかないといけないということが理由でしょう。

では女性医師はどのような働き方を希望しているのでしょうか。30歳~40歳の女性医師登録者の就業希望条件を見てみましょう。

1 32歳 女性医師 内科/専門医なし 既婚(1歳の子ども)
 週3~4日の当直なし勤務希望。まだ専門医を取っておらず、指導医がいるところでの勤務希望

2 35歳 女性医師 内科/専門医あり 既婚(1歳、3歳、5歳の子ども)
 育児に追われ、週1日しか体を空けられる時間がなく、日中の間で3~4時間の勤務ができるアルバイト希望

3 39歳 女性医師 小児科/専門医あり 既婚(2歳の子ども)
 育児があるため、週2回の午前中のみのアルバイト勤務希望

子どもがまだ小さい女性医師は、育児に加え保育園や幼稚園の送り迎えもあり、男性医師並みに週5勤務、当直ありといった勤務を希望する方は皆無です。多くても週4日、ほとんどの方は非常勤のアルバイトをいくつか掛け持ちして、育児を中心にするケースが多くなっています。

もちろんこのような条件を希望する医師ばかりではなく、独身の女性も一定以上の割合でいます。ただしそういった医師もある程度の経験を積み、年齢を重ねるうちに男性並みのハードな勤務は難しく感じ、自分のペースで勤務したいというのが現実的には多いのです(ちなみに男性医師のすべてがハードワークをしているということでもないのですが、あくまで傾向としてという話です)。

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