正泰苑総本店や静龍苑の老舗焼肉店のように昔から、美味しいスイーツを提供していた焼き肉店もありますが、「肉山」が「ジェラ山」をプロデュースしたように、明らかにここ数年、スイーツを進化、充実させている焼き肉店が増えたのも事実です。スイーツ=女子という、シンプルな式が成立するほど、女性客が増加しました。つまりスイーツの進化は、焼き肉女子が増加したことに起因しています。
焼き肉女子が増えたワケ
理由は2つあります。
1つめは、『焼き肉店の部位メニューが細分化された理由』(8月25日配信)で、紹介したメニュー部位の細分化に起因しています。これまでの焼き肉はやはり、ガッツリ食べたい男性が、煙モクモクの店内でタンにカルビにロースを繰り返し発注し、白飯をかき込む。そういう食シーンが容易にイメージできる食べ物でした。
一方、女性はどうでしょうか。筆者がインタビューをした29歳のOLによれば、「1種類あたりの量は多くなくてもいいので、沢山の違う種類のお肉を食べたい」。
この意見は複数の女性から耳にすることがありますので、おおむね遠からずの女性の総意だと思われます。メニュー部位が細分化したことにより、男性とは違う女性の食シーンに焼き肉店の部位の提供スタイルが、合致してきました。複数ある微妙な部位の違いを楽しみながら、少量ずつ食べる女性特有の食べ方と合致してきたといえます。
しかもその部位ごとに塩やタレだけじゃなくて、出汁や卵に潜らせたり、塩昆布やウニを乗せたりなど、食べ方が多様化しています。複数の部位を提供するということと、食べ方の多様化で焼き肉店は、女性客を取り込むことに成功しました。結果として、「インスタグラム」や「Facebook」に投稿する女子も合わせて増加しました。焼き肉店の肉の盛り方の工夫、魅せ方の工夫は投稿をして「いいね」を稼ぐ格好の素材だったからです。さらに顧客を囲い込むためのセオリーとして、スイーツを充実させたのは、必然です。
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