親の「残酷な言葉」に悩み続けてはいけない 軽い気持ちで話した場合だってある

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私が感じたところでは、あなたのお母様はあなたが思うほど、あなたを嫌ってはおられません。いくら理想の家庭像に向かって努力されたとはいえ、嫌いな子どものために、そこまで出来ることではないからです。ただ思慮が浅く、親として子どもに言うべきでないことを口癖にし、自分の不幸を強調したいために、心にもないことまで口にされただけです。

あなたはこのことがトラウマになっておられますが同時に、あなたの言われる浄化は始まっています。周囲のあなたへのイメージは、あなたがこのトラウマに負けていない証拠です。

心のバリアは、他者を警戒して着る鎧

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ちず子様はある意味で、私の若い頃にそっくりです。拙著『一流の育て方~勉強でもビジネスでもずば抜けて活躍する子供を育てる』で告白した内容ですが、私がどちらかといえば書きたくなかった部分があります。愛情一杯に育てられた人にみられる天真爛漫(らんまん)さやみなぎる自信が、大家族で、気遣わねばならない人が多かった家庭で育った私には、ないことでした。

「この事が原因で、こじらせていることが沢山私にはあると思います」というあなたの心境と全く同じ失敗や悩みに、自己嫌悪に陥ったことは数知れません。あなたのように食事などに気遣ってくれる余裕も私の母にはなく、人からうらやましがられることは何一つありませんでした。外見も内面にも自信や誇りにつながるものは何一つなく、コンプレックスの塊でした。

ただし不思議なことに周囲が私に抱くイメージは、あなたほどではありませんが明朗だと、よくいわれました。そんな中、高校生になるまでに3千冊は読んだという読書家で洞察力の鋭い友人が、私のことを「コンプレックスを裏返しにしたバイタリティの持ち主」と呼んだのです。

私の内面に立ち入らないよう注意深く言葉を選んだ彼の言質でしたが、私のそれらは、私個人が自信を失くすべき問題でも秘めることでもない問題だということでした。

その後私と同じような種類の悩み等を抱えるいろいろな人と出会いましたが、ある人は“裏返し”にせずストレートにバイタリティに、ある人はハングリー精神に、ある人は弱者に自然に寄り添える優しい心につながるなど、それは目からうろこの出る学びの連続でした。

傷つくのがこわくて他者との間に築いていた心のバリアはそのまま、他者を信じることができない人が着る警戒の鎧(よろい)であることに気付いたのです。このよろいを着ていない人たちがとても輝き、その生き方がとても誠実に見えました。

それからは心のバリアをできるだけ崩していく努力の連続でした。よく自分の悩みや弱みを軽々しく口にして、同情を求めたりしながら人とつながっていこうとする人がいますが、それではありません。会話の流れや誰かの教訓になったりする場合は、いつでもお話できる内容である問題と心得ることにしました。

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