食べる直前に注文すると太りやすくなるワケ ランチに何を食べるかは朝のうちに決めよう
食生活を改善したいなら、「時間差食」を試してみよう。食べる時間のずっと前に、食事の注文を済ませておくのだ(少なくとも、何を食べるか選択はしておく)。
カーネギーメロン大学が行った実験によると、食事を注文する時間と実際に食べる時間との間に大きな開きがある場合、人はカロリーが低めのものを選ぶという。しかも、意識的に少なめの注文をしているのではなく、低カロリーのものを選んでいることさえ、気づかない人がほとんどだという。
注文をするときの空腹感の違いはわずかな影響しかなかったと、エリック・M・ヴァンエップスは言う。ヴァンエッブスはペンシルベニア大学のポストドクター(博士課程を修了した研究者)で、カーネギーメロン大学在籍中にこの研究を行った。その結果は、この夏「ジャーナル・オブ・マーケティングリサーチ」に掲載された。
「今すぐ起ころうとしていること」には無計画
ヴァンエップスは、人には「現在に対するバイアス」があると考えている。これはつまり、いますぐに起ころうとしていることに対しては、計算の仕方を変えてしまうということだ。
「ある決断がすぐに実行されるような場合、私たちはその場で得られる結果しか気にせず、長期的なコストやメリットは割り引いて考える」とヴァンエップスは言う。「食事の場合では、どれだけ美味しいかなど、食べるときに起こることだけを気にして、不健康な食事による長期的な影響は割り引いてしまう」。
一方で、前もって食事を注文する時は、「長期と短期のコストとメリットを、均等に割り振って考える」という。「もちろん味は気にするが、もっと自己コントロールができるようになる」。
過去にも、健康な食事をするにはタイミングが重要だとする研究があった。たとえばある研究では、インターネットで食品を注文する際には、配達日を数日後に設定した方が、より健康な食品を選ぶ傾向があるとされた。