ユニクロを”投資家目線”で分析してみた 株価上昇はいつまで続く?

✎ 1〜 ✎ 34 ✎ 35 ✎ 36 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

冒頭のメッセージ

ユニクロのアニュアルレポートには、まずきれいなファッションモデルと共に、“良い服は、世界を変える”というコーポレートアイデンティティともいえるメッセージが、シンプルに大きく打ち出されている。コーポレートアイデンティティは分かりやすくシンプルな、1行で表現できるものでなければならないとされるが、この点ユニクロは大変わかりやすい。

登用されているモデルさんもそのポーズも非常に美しい。かなりアクロバティックなポーズで、体が柔らかくなければできない芸当だ。きっと週末はヨガ教室で汗を流されているに違いない。

続いて次のページに出てくる大きなメッセージが、“「人」を創る。世界が活躍の舞台になる”である。そしてさわやかで明るい店員さんのはつらつとした集合写真がある。この“人を創る……”うんぬんのメッセージは、現実と比較すると極めてアイロニカルであり、本当にそれを目指しているのか、それとも今回の一連の社会からのお叱りの声を受けて方針転換するのか、来年のアニュアルレポートが見ものである。

あと特徴的なのが女性を前面に押し出している点だ。読み手の潜在意識に、優しさ、働きやすさ、女性の労働機会提供といったものも伝えようとしているのだろうか。これだけユニクロ社員がこきつかわれて疲弊している、という情報にさらされると、皮肉さが際立つ。

今後ユニクロショップで店員さんにさわやかな笑顔で接客されても、「この笑顔の裏で歯を食い縛るような過酷なサービス残業が……」とか「またのお越しをお待ちしております、と言われても次に来たときは、すでに離職してはったりして……」といらぬ心配が頭をもたげてくるのだ。

次ページ白々しい社会貢献アピール
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事