「ソニーのリストラ批判」にモノ申す 日本の電機メーカーがリストラせずに、どこがする

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グローバル化の進展により、国の枠を超えて活躍する「グローバルエリート」が生まれている。しかし、そのリアルな姿はなかなか伝わってこない。グローバルエリートたちは何を考え、何に悩み、どんな日々を送っているのか? 日本生まれの韓国人であり、国際金融マンとして、シンガポール、香港、欧州を舞台に活動する著者が、経済、ビジネス、キャリア、そして、身近な生活ネタを縦横無尽につづる。
ソニーの陰湿なリストラの背景には、日本の現実にそぐわない解雇規制がある(撮影:今井康一)

今週、われらが「東洋経済オンライン」で「ソニー中高年リストラの現場」が特集されていた。

ユニクロ批判記事に参戦して一段落したかと思いきや、今度はソニーのリストラ騒動にも参戦かい、という感じだが、私は労働者の皆様の悲痛な思いに胸を痛めつつも、ソニーをはじめとする日本の電気機器メーカーがリストラしなくて、どこがリストラするのか、と親愛なる読者の皆様に伺いたい。

また今週の東洋経済の調査による人材活用ランキングで一位に輝いているソニーが、“キャリア相談室”などを通じた陰湿なやりかたをせざるをえないのも、日本の現実にそぐわない解雇規制が問題なのではないかと。

皆さん、ソニーの株価は今いくらで、5年前に比べてどのくらい下がったかご存じですか? ソニーは5年前のリーマンショック前の5500円から昨年11月には一時772円まで落ちた。今は円安も手伝って1600円台で取引されているが、それでも5年前の3分の1だ。世界の株価がリーマンショック前の水準を回復する中で、ソニーが長期停滞傾向にあることが数字に表れている。

今からする議論は公開情報に基づいており、業界の人が読めば当たり前の話ばかりなので、投資のプロの方は読み飛ばしていただきたい。業務で知りえた情報が一番面白いところなのだが、それを明かすと私に対して“頭部が吹き飛ぶようなリストラ”が行われてしまうのだ。

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