英語教育を社員の負担で強制するのは言語道断
なお、ユニクロお得意の英語トレーニングなどについても一言申し上げたい。受講料に関しても勉強時間に関しても社員の人生のためでなく、会社の生産性のために会社が強いているのであるから、当然、販管費で会社が負担すべきコストだ。しかし、実質的には社員が自腹を切るケースも多いという。
実際は英語など使わない業務が多いというか大半なのに、効率性や必要性を無視して英語教育を幅広く導入するなら、そのコストは当然会社が担うべきである(ちなみにここだけの話、英語公用語化で話題になった某大手ネット企業も、表向きは英語が公用語とされているが、実際は全然定着していないという。機会があればまた来日時、突撃取材させて頂く所存である)
ともあれ私が知るかぎり、グローバル企業で、会社が求めるトレーニングを社員に負担させる企業を見たことはない。社員のトレーニング費用は会社の費用であり、社員の給料や私的時間から捻出するのを社員に義務づけるのはお門違いである。
柳井氏へのメッセージ
ユニクロはオーナー企業であるため、柳井正氏の顔色をうかがい、社長に進言したり悪いニュースが届きづらい企業文化なのは想像できる。カリスマ社長の強力なリーダーシップで急速に1兆円企業に拡大したのだから、なおさらのことである。しかしだからこそ、及び腰の社員に変わって私、グローバルエリートが、誰だよお前、というお叱りの声が聞こえてきそうであるが、フランスの彼方から柳井氏に進言することにした。
ユニクロは今や日本を代表する企業のひとつであり、2020年には売上高5兆円を目標に日本を代表するグローバル企業を目指している。顧客に安くてよい品物を提供することだけを企業目標としているようでは、目標が低すぎるだろう。
お客第一、製品改善第一の偉業を成し遂げた今、今後は働く社員を大切にするという意味でも業界に新しいスタンダードを打ち立ててほしい。
ユニクロは「顧客への価値」と「投資家への価値」と「労働者への価値」という難しい3兎を追うことができるだろうか。尊敬する柳井氏の今後のさらなる奮闘に期待したいところである。
※ 続きはこちら:ユニクロを“投資家目線”で分析してみた
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