ユニクロ論争、これにて一件落着
続・「ユニクロ叩き」にモノ申す

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顧客からも供給者側からも絞られるユニクロ

さて、最初に明確にしておきたいのだが、私はユニクロで不当な扱いを受けているとされる方々に心より同情申し上げるし、これが本当であれば、違法な労働条件に関しユニクロを擁護するつもりは毛頭ない。今回はなぜユニクロがこうなったのか、今後どうあるべきなのか、マクロの視点から大局的にひもといていきたい。以下では退屈な数字の話が約10行続くが、ここは何とか辛抱して読み進めて頂きたい。

まずユニクロの売り上げは2月時点で期初と比較し、客数は9%、売り上げは約7%の驚異的な伸びを続けているが、客単価は2.3%落ちている。単価が落ちているのに売り上げが上がっているということは、回転率が高まっているということであり、従業員にシワ寄せがくる。そして、客数の伸びより売り上げの伸びが低いということは、買いもしないのに来店する困った方々が増えていることを意味する。

1兆円の売り上げで、今期の修正予想値で見ると粗利率は51%、営業利益率は16%というこの業界では圧倒的に高い収益率だ。しかし客からのさらなる値引き要請とグローバルで展開される資源高により、粗利レベルでのマージンプレッシャーがかかるので、人件費に振り分けられる予算は売上比でさらに削られていくだろう。

グローバル競争の影響をモロに受けるビジネスモデル

ここでユニクロのバリューチェーンを考えると、顧客側に目を向ければデフレで客が支払うトータルの売り上げが落ちていく中で、供給側に目を向ければ原材料は上がり、製品を生産するための中国などの海外労働者のコストも上がる。

世界的な綿花の値上がりや顧客の所得減少、実質的失業率の高止まりや中国製品の競争力上昇といったグローバル競争はすべて、中野区で生まれ育ってユニクロ新宿支店で働くバイト2年目の佐藤君(仮名)の人生に直結するのである。

そんな中、強欲な投資家の期待に応えて高いマージンを維持するためには、削れるコストは国内の販管費ということになる。しかも高成長を続けてきただけに投資家の期待やアナリスト予想値が高く、それに未達だとすぐ売り浴びせられるため、高成長企業の社員には無理な負担がかかるものである。グローバル競争と急速な成長というプレッシャーが、ユニクロ社員に重くのしかかってくるのだ。

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