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北朝鮮の幹部はつらいよ、金正恩体制で相次ぐ粛清や責任追及、政権当初の残忍さは影をひそめるものの…

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2026年1月19日、北朝鮮の金正恩総書記が工場の竣工式で演説、担当幹部らの職務怠慢を指摘し、その場で解任した(写真:AFP=時事)

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北朝鮮の金正恩総書記の体制ではしばしば、幹部が粛清されたり、厳しく責任を追及されたりしてきた。なぜそのようなことが起きるのか。その実態は? 長年にわたって北朝鮮をウォッチし、北朝鮮の実情に精通する元公安調査庁調査第二部長などを務めた坂井隆氏に、朝日新聞記者の箱田哲也氏が聞いた。

担当副総理の執務姿勢を批判、その場で解任

箱田:なにやら金正恩総書記がまた、烈火のごとく怒り狂っているようです。今度は一体何があったのですか。

坂井:事実関係を簡単に説明しますと、北朝鮮の代表的な企業所の一つである龍城(リョンソン)機械連合企業所というところで、2026年1月19日に近代化工事の竣工式がありました。

金正恩氏がそこでの演説を通じて、当該工事が「無責任かつずさんで無能な幹部たちのため、人為的な混乱を経ながら少なからぬ困難と経済的損失を余儀なくされ」たばかりか、そうした問題発覚後も「内閣の責任幹部たちは……まったく改悛しようとせず、……責任を免れようとする恥ずべき行為」をしたなどとの幹部批判を延々と展開、担当副総理の「解任を宣言」したのです。

箱田:2025年5月に起きた駆逐艦の進水式の「重大事故」で、金総書記は「犯罪的行為」だと激怒、関係者の責任追及に触れました。その後も、幹部への厳しい叱責は続いていたようですね。

坂井:はい。例えば、平壌総合病院の竣工(25年10月)では、一部幹部が勝手に工事規模を拡大したり寄付を募ったりしたため、工事が遅延したなどと批判しました。そのうえで、それを「国家に依然として内在している経済活動における無規律と幹部らの主観的欲望、政治的指導における未熟さの実情を見せる端的な実例」と決めつけました。

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