会社組織とは「男vs男」の官能劇場である 上野千鶴子さんが語る「女の処世術」
日本を代表する社会学者であり、フェミニズムの牽引役でもある上野千鶴子氏。朝日新聞の人気連載「悩みのるつぼ」では学生から70代主婦など、年齢、属性の異なるさまざまな人の悩みに答えるなど、人生相談の名手としても知られる。
「相手のとどめを刺さず、もて遊びなさい」「立ちはだかる壁は、迂回せよ」など、過去の名言は数知れず。それらを収録した新著『上野千鶴子のサバイバル語録』刊行記念ブックトーク(朝日カルチャーセンター新宿)で語られた、上野先生の思いとは――。
相手にとどめを刺すのは、得策ではない
会社や組織で働いている女性ならば、理不尽な上司や、自分よりも権力を持つ男性などと、対決せざるをえない場面もありますよね。
私も今まで、さまざまな相手とけんかや論争をしてきました。そのときに使った方法が、相手にとどめを刺さず、もて遊べ、というものでした。
相手にとどめを刺すと、その組織の中であなたが嫌われものになりますから、それは得策ではない。コツは、相手を追いつめるのではなく、相手がアホに見えるように仕向けること。こんなことを伝授すると、性格悪い女だな、って思われそうですが(苦笑)。
勝負は、当人同士のバトルでは決着しません。それを遠巻きにして眺めている観客たちが、判定するんです。だから、必ずしも相手を説得しなくてもいい。
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