元トヨタマンが証言する「人づくりの極意」 トヨタが「デキの悪い部下」を見捨てないワケ
トヨタは、唯一最強のリーダーを育成するのではなく、優秀なリーダーを多数輩出することを重視しています。そのためにはスキル・人間性ともに高い能力を持つ、いわゆる「デキのよい部下」をさらに伸ばすことに加えて、スキル・人間性ともに能力の低い、いわゆる「デキの悪い部下」を底上げすることも必要になります。
そうした時、トヨタの上司はどのように考え、行動してきたのでしょうか。『最強のチームをつくる トヨタの上司』の中から、トヨタ式「デキの悪い部下」の育て方を見ていきます。
部下に仕事の「おいしさ」を伝える
仕事を始める際に大切なのは、部下に「仕事のおいしさ」を伝えることです。「デキの良い部下」の場合には、仕事の目的や効果を自分自身でイメージすることができますが、「デキの悪い部下」には上司から丁寧に伝える必要があります。そうすることで、仕事に対するモチベーションは大きく違ってきます。
元トヨタマンの堤喜代志が工長に昇格したとき、当時の上司だった田中課長(仮)からこんなことを聞かれたといいます。
「君は人に指示したり、仕事したりしてもらうとき、どのようにリーダーシップを発揮してる?」
堤は迷いなくこう答えました。牽引車のようにみんなを集めて引っ張り、目標を達成すること。そして達成した暁には、一緒になって喜ぶことだ、と。その自信満々の堤に対して、「それも大事。でも、それだけじゃない」と、こう言ったといいます。
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