と思い込んでいるかもしれませんが、電車で外国人旅行者に道を聞かれたら、笑顔で答えられるくらいのグローバル人材にはなっていただきたいものです。
さて、グローバル化は国内の職場にも容赦なく押し寄せています。近年、新規採用される留学生が増加の一途にあります。不況の影響で新卒採用が減少傾向にあったここ数年においても、企業の留学生の採用に対する意欲は、地道に増え続けています。
外国人採用の母数はまだまだ小さいので、その伸びを実感しない人も多いかもしれません。実際、2011年に日本企業等への就職を目的として在留資格変更許可申請を行い、許可された外国人留学生は約8500人(法務省入国管理局調べ)。ただ、前年比で10%弱と着実に増えています。
ちなみに国籍・出身地別許可数の上位5か国は,中国、韓国、ベトナム、ネパール。アジア諸国が全体の9割を占めます。景気が下降気味でも採用数が伸びてきたことに、状況の変化を感じざる得ません。「日本で学び、日本で働く決意」をした留学生は日本の職場に馴染めるのでしょうか?
取材したIT系企業では、留学生の採用数を大幅に増やしていました。仕事に対する意欲の高さが理由のようですが、一方で控え目な性格の日本人社員は、
「彼らほど積極的に、アピールや自己主張なんてできない」
と困り果てている様子。採用する経営サイドや人事部にしてみると、企業のグローバル化に必須である「語学力」に長けているのに加えて、
《アサーション(自己主張)やプレゼンテーション能力》
が高い学生が多いのが魅力です。一方、日本の学生は「ゆとり世代」ということもあり、外国人学生と比べると、どうしても見劣りする面があると感じるようです。グローバル化により外国人留学生の採用が増えただけと考えがちですが、そもそも日本の学生のおとなしさ、ひ弱さが、相対的な要因ともなっているようです。
残業も当たり前ではない
一方、外国人留学生の側はどう考えているのでしょう? 株式会社ディスコ社の調査によると、将来どの国で就職したいか、3 つまで選んでもらったところ。やはり「日本」が91.6%と圧倒的。以下、「中国」68.7%、「北米」24.1%、「台湾」20.8%と続く。日本に在籍する留学生の6 割以上が中国からの留学生であることから、将来的には母国語の通じるエリアで働くことも意識しています。
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