日本と海外、どちらで働くべきですか? 【キャリア相談 Vol.7】

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何かにつけ不確実性の高い現代。一生安泰の仕事も、未来永劫つぶれない企業も存在しない。自分の仕事に明日があるのか――それをつねに考えておかないといけない時代だ。 この連載では、悩めるビジネスパーソンからのキャリア相談を募集。外資系金融、コンサル、ライブドア、企業再生コンサルなどを渡り歩き、数多くの業界やスタートアップに精通する塩野誠・経営共創基盤(IGPI)パートナーに、実践的なアドバイスをしてもらう。

【Vol.7】 帰国子女の私は、日本と海外のどちらで働くべきですか?
 初めまして。現在、アメリカでビジネスマーケティングを勉強している24歳の学生です。
 先日、父のメールに「東洋経済オンライン」のリンクが貼ってあり、いろいろな記事を読んでいて塩野さんのキャリア相談のコラムを発見し質問に至った次第です。
 早速質問なのですが、先ほど申し上げたとおり僕はアメリカに4年ほど住んでおり、人生のうち14年を海外で過ごしているため、英語には何不自由ないのですが、これから就職をし、キャリアを積むに当たって日本での就職がいいのか海外での就職がいいのか、とても悩んでいます。
 かなりの数の日本の企業が英語力の向上に力を入れていて、幸い英語に自信のある僕は、使える人材として活躍できればと考えております。
 業界は父の影響もあって石油化学系、エネルギー産業系に興味があります(先日ニュースにも出ていた日揮も興味のある企業のひとつです)。
 将来的には日本で勤める、あるいは起業をしたいと考えています。やはり外資もしくは海外での就労経験は、これから先のキャリアを積むには必要不可欠でしょうか?
 塩野さんのご意見をいただけることを願っております。
    (24歳・学生)

日本では英語力が高く売れる

こんにちは、今回は米国の日本人学生の方からのご質問です。海外生活が14年と長い方が日本で就職したほうがよいのか、海外で就職したほうがよいのかを悩んでいらっしゃるとのことです。

まず最初に、意思決定のための大事なコンセプトをお伝えします。

それは日本ほど英語力が高く売れる場所はないということです。日本にも英語をビジネスレベルで使える人はたくさんいますが、同じようなスキルを持った人であれば、人材市場において英語ができる人のほうが高く売れます。

これは一部の外資系企業が給与の平均を押し上げているという面もありますが、日本の一流企業にいた人間ならば普通に持っているようなスキルに英語でのコミュニケーション力が加わると、人材市場においては高く売れます。高く売れるのは日系の新卒採用でも同様です。同じような評価の学生であれば、英語ができそうな方、TOEICの点数が高い学生を選ぶ傾向はあると思います。

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