職場に増える外国人と、うまくやる方法 落としどころを探る会話なんて、通用しません

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落としどころを探ってもダメ

取材した広告代理店に勤務している加藤さん(仮名)の職場にも昨年、外国人の留学生が配属されました。当初はお互いに距離をどのように近づけていったらいいか戸惑ったようですが、最近は関係は円満のようです。その成功のポイントを聞いたところ

「落としどころを探るような、会話をしないことでしょうか?」

とのこと。日本の職場でありがちなのですが、もう少しなんとかならない?とか、ちゃんとやって欲しい……など、会話しながら結論を探ります。しかし、外国人にとっては、そんな言い方をされても理解が難しいのです。はやり、ロジカルに伝える工夫を凝らすべきです。

留学生たちは、学生時代に日本を理解したうえで、日本で働くことを決意したわけです。「日本の職場の流儀に合わせればいいので、と気にしない」との対応もアリかもしれません。ただ、外国人留学生が同僚と円滑に仕事をしている職場では、

・ビジネスにおける時間感覚
 ・その国の雇用制度
 ・その国の仕事やキャリアに対する考え方

を理解しようとすることが大前提となるでしょう。

それだけでなく、その国の民族の文化的価値観や宗教的価値観、法律や経済の仕組みなど、可能な限りの理解を示すのです。もちろん、職場のある日本のルールが仕事を進めるうえの前提となりますが、留学生側の譲れないもの、大事にしたいことを踏まえて接することができれば、意外と心地よく仕事ができるのではないでしょうか?

考えてみれば、メジャーリーグで日本人選手が入団すると「コンニチハ」と日本語を覚える努力をするチームメイトが紹介されますが、あれと同じです。こうした気配りが外国人留学生と同僚の絆を深めるのは間違いありません。

ちなみに独立行政法人 労働政策研究・研修機構の調査によると留学生を採用したことで、日本人社員や組織に対してどんな効果があったかを尋ねたところ、効果としては「職場が活性化した」「社員が国際的視野を持つようになった」と前向きな回答が大半だったとのこと。ますます外国人留学生が職場で増える時代、そこで働く社員達も環境の変化に合わせて、前向きに取り組んでいきたいものです。
 

高城 幸司 株式会社セレブレイン社長

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たかぎ こうじ / Kouji Takagi

1964年10月21日、東京都生まれ。1986年同志社大学文学部卒業後、リクルートに入社。6期トップセールスに輝き、社内で創業以来歴史に残る「伝説のトップセールスマン」と呼ばれる。また、当時の活躍を書いたビジネス書は10万部を超えるベストセラーとなった。1996年には日本初の独立/起業の情報誌『アントレ』を立ち上げ、事業部長、編集長を経験。その後、株式会社セレブレイン社長に就任。その他、講演活動やラジオパーソナリティとして多くのタレント・経営者との接点を広げている。著書に『トップ営業のフレームワーク 売るための行動パターンと仕組み化・習慣化』(東洋経済新報社刊)など。

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