また、アジアを中心とした新興国での現地法人採用を就職の選択肢として加える可能性があるかを聞いたところ「積極的に考えたい」が32.5%、「仕事内容によって考えたい」は35.8%と、あわせて68.3%が、現地基準の賃金・待遇での採用に対して、高い意欲をみせている。企業ニーズと留学生の希望は徐々にマッチングしてきたのを感じさせる調査結果です。
さて、こうして毎年のように外国人留学生を採用する企業が増えれば、仕事で接する機会も増えてきます。当然ながら国によって価値観は違います。取材したサービス業では、留学生が失敗しても謝らないので、職場の先輩と衝突して困ると嘆いていました。
「自分は悪くないと主張を繰り返すので、注意した先輩社員は対応に苦慮しています。ごめんなさいと一言言ってくれれば、丸く収まるのですが」
これも価値観の違いかもしれません。それ以外にも
・残業をしない
・結果の出るのが遅い仕事は嫌がる
・職場の上下関係が理解できない
など、日本人の同僚なら暗黙の了解で済んだことが、お互いの衝突の壁になったりすることがあるようです。ただ、こうした衝突の背景には日本の職場にはびこる、悪しきルールがあるのも明らか。肩書に縛られて言うべきことを言えないのは間違っていますし、こうした留学生の採用が、硬直化した職場環境を変えるいい機会になるとも言えます。
ただ、いずれにしても大事にしていただきたい外国人留学生との職場での接し方のポイントがあります。それはコミュニケーションを丁寧に行うこと。
日本企業で勤務する日本の従業員同士だと、どうしてもお互いが似たような志向を持っていて「言わなくてもわかる」と思いがちです。ところが、この感覚のままで外国人留学生と接すると、大きな誤解を生むことになるでしょう。例えば、人事評価に対する給与や賞与のフィードバックで、
「よく頑張ったけれど、昇給はない。次に期待している」
とあいまいなコメントをすれば、論争になってしまう可能性が大きいでしょう。評価が低いのであれば、具体的にその理由を説明するべきでしょう。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら