トランプがついに仕掛ける「仁義なき戦い」 支持率低下を受け、誹謗中傷のプロを参謀に

拡大
縮小
米大統領選の陣営幹部を刷新した共和党候補ドナルド・トランプ氏。バージニア州フレデリックバーグで20日撮影 (写真: ロイター/Carlo Allegri)

米共和党大統領候補のドナルド・トランプ氏は世論調査での不調を受け、選挙陣営の幹部を刷新した。保守系ニュースサイト「ブライトバート・ニュース」のスティーブン・バノン会長を選挙対策本部の最高責任者(CEO)として迎え入れたのだ。トランプ氏に中道寄りの方針をとるよう薦めていた共和党の経験豊富な選挙参謀ポール・マナフォート氏は、19日朝に退任した。

イラクで戦死したイスラム教徒の米兵士の母親を中傷したことで、世論調査でのトランプ氏の支持率は7月の共和党大会以降急落した。トランプ氏はまた、オバマ大統領と民主党大統領候補ヒラリー・クリントン氏がイスラム国(IS)の共同創設者である、などと発言した。

しかし、トランプ氏は自身の支持率低下の責任は、方針転換や施政方針演説に向けた努力、より大統領らしい振る舞いをするように薦めたマナフォート氏らにあると考えているようだ。

トランプ氏はウィスコンシン・ラジオに、「私は私だ」「私自身を変えたくはないし、方針転換はしたくない。自分らしくありたいという意味だ」と述べた。

ワシントン・ポスト紙のロバート・コスタ記者はこの変化を、「この不動産界の大物は自分の考えに基づいてこの選挙を戦おうと考えていることを、従来になく明確に示唆している」と評した。

「米国で最も危険な選挙参謀」

すでに過去に類を見ないほど見苦しい選挙戦であるにもかかわらず、さらに手加減無しの戦いが始まった。トランプ氏がバノン氏を選んだことは、彼の選挙組織がこれからスラム街でのけんかのように、がむしゃらに戦うことを示唆している。

ブルームバーグ・ポリティックスに、「米国で最も危険な選挙参謀」と評されたバノン氏は、ゴールドマン・サックスの勤務経験があり、現在は大衆主義者で右翼のメディア王だ。バノン氏は大統領選の運営経験は無いが、攻撃的な報道に関しては第一人者である。

次ページ今回の刷新は「自殺行為」との指摘も
関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
パチンコ、「倒産」と「リストラ」ドミノの深刻背景
パチンコ、「倒産」と「リストラ」ドミノの深刻背景
パチンコ業界で「キャッシュレス」進まぬ複雑背景
パチンコ業界で「キャッシュレス」進まぬ複雑背景
イオン、PB価格据え置きの「やせ我慢」に募る憂鬱
イオン、PB価格据え置きの「やせ我慢」に募る憂鬱
「イトーヨーカドー幕張店」激戦区の大改装に差した光明
「イトーヨーカドー幕張店」激戦区の大改装に差した光明
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT