トランプがついに仕掛ける「仁義なき戦い」

支持率低下を受け、誹謗中傷のプロを参謀に

クリントン家とも因縁がある。ブライトバートは、長年クリントン氏の側近を務め、現在クリントン氏のEメール問題に巻き込まれているヒューマ・アベディン氏の夫であるアンソニー・ウィンナー元下院議員のセクスティング(性的なメッセージまたは写真を携帯電話間で送る行為)を報じた。バノン氏は、クリントン財団の政治資金疑惑を題材にした書籍「クリントン・キャッシュ」の映画化にも携わった。

トランプ氏と行動を共にする選挙活動マネジャーとして今回迎え入れられた保守的な世論調査員ケリーアン・コンウェイ氏によると、バノン氏は、「これまで一貫して恐れ知らず」である。

コンウェイ氏は、「クリントン側の選挙キャンペーンに対しては、果敢に、おずおずせず、恐れない気持ちが必要だ。強大な仕組みに立ち向かっているようなものだからだ。少なくとも、全力で最善を尽くす気概があり、戦いに備えた人々が求められている」と説明した。

つまり、コンウェイ氏は、「われわれはトランプ氏がありのままの姿で居心地よく過ごせ、トランプ氏らしく行動できるようにする」と述べているのだ。トランプ氏は予備選で行った騒々しい集会をまた始め、攻撃的なツイートを再開し、ヒラリー・クリントン氏の人格と経歴を中心的な話題とするために、意見ではなく誹謗中傷のキャンペーンを行うだろう。

トランプ氏の組織改革に対するクリントン氏の反応は、トランプ氏自身にスポットライトを浴びせ続けることだった。クリントン氏は「ドナルド・トランプは何も変わっていない」「これが彼なのだ」と断言した。

トランプ氏も彼女に同意している。有権者の心に訴えかけるための方針転換はしないし、トランプ氏がもっと大統領らしくなることもない。それどころか、トランプ氏の役に立つ新しい暴露話をブライトバートが報じるだろう。

選挙戦の見苦しさ、いよいよ本番へ

ビル・クリントン氏が大統領だった最初の数年にウォール・ストリート・ジャーナルやアメリカン・スペクテーターがホワイトウォーター疑惑や女性問題、ビンス・フォスター問題をねつ造ないしは過熱させたように、今度はブライトバートやその他の右派ニュースメディアが、新たなスキャンダルを吹聴したり、盛大に中傷をする準備を整えるだろう。

おそらくトランプ氏は過半数の有権者がドナルド・トランプに投票するように説得できないとしても、もしかしたらヒラリー・クリントンに反対票を投じさせるように説得できるかもしれないと考えているのだろう。

準備は整った。彼らは全面戦争を始める気だ。この選挙選はこれまでよりも、さらに見苦しくなる。

著者のロバート・L・ボロサージ氏は、「アメリカの未来研究所」代表で、姉妹組織「アメリカの未来キャンペーン」の共同理事でもある。このコラムは同氏の個人的見解に基づいている。

 

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