最適なポートフォリオはどうなのか、という点を気にする人もいると思いますが、私はとにかくどれでもやってみることをお勧めしています。正直なところ、どの金融商品がインフレに強いかなどというのは、はっきりとは言えないからです。
たとえば不動産。かつてはインフレヘッジの王道などと言われましたが、それは不動産バブルの頃の話です。当時、日本は国土が狭いので、どんどん土地不足になり、地価は無限に上昇するなどと、本気で思われていました。でも、今はどうでしょうか。
日本は人口減少社会になり、土地のニーズは今後、徐々にではありますが後退していくでしょう。大都市の一等地は地価が上昇しても、地方は安いままに放置されているなどという風景は、ここかしこで見られます。土地を持ってさえすればインフレリスクをヘッジできるという時代は終わったのです。
最終的にインフレに勝てば良い
株式もそうです。株式がなぜインフレに強いのかを理屈っぽく説明すると、インフレによって物価が上昇すると、企業の名目の売上や利益がかさ上げされ、それを株価が織り込みに行くため、株価が上昇する、ということになるのですが、すべての株式にそれが通用するわけではありません。
インフレが進むなかでも業績が良くならない企業は当然あります。そういう企業の株価は、いくらインフレが進んだとしても、おそらく値上がりしないでしょう。東京証券取引所だけでも、上場されている企業の数は3526社にも上ります。その株価が、「インフレ」という単独の材料だけで上昇するのは、現実的にも考えにくいところです。
このように考えていくと、ますます何がインフレに強い資産なのか、分からなくなってきます。なので、とにかく何でもやってみれば良いという結論に達します。ちなみに私は、株式もFXも個人向け国債も、そしてネット銀行の定期預金も含め、いろいろなものにおカネを分散させています。全体で見た時に、最終的にインフレに勝てれば良いという発想で、個人資産を運用しています。
特に若い世代の人たちは、どの資産運用が自分に合っているのか、まだ分からないでしょうし、仮に失敗したとしても、損失を取り戻せる十分な時間がありますから、なおのこと、いろいろな投資にチャレンジした方が良いと思います。
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