1月29日、日銀は金融政策決定会合で「マイナス金利」政策を決め、2月16日から始動した。当面、当座預金の10兆円程度に「マイナス0.1%」が適用されるだけだが、対象は今後の日銀のマネタリーベース供給増で徐々に増えていくし、「限界的余剰資金の安全な置き場所のコスト」が動いたことによって、金融市場が被る影響は小さくない。
超・超低金利時代における運用の意味
新政策発表以来の長期金利の上下の動きから見ても、市場は「マイナス金利」の影響を織り込むのに少々時間が掛かったようだが、当面の落ち着きどころらしきものが見えてきた。大まかには、国債利回りは10年までの年限はややマイナス気味の0%近傍だ。銀行間の資金取引は16日に0.000%が付き、17日にはついにマイナス金利での約定が成立した。
多くの銀行の預金金利はすでに引き下がっており、普通預金を0.02%から0.001%程度に引き下げるケースが多く、定期預金は年限に限らず0.025%〜0.03%程度が多い。それでも、目下の短期資金市場、国債利回りを考えると、逆ザヤになる。このような短期資金運用市場の状況では、運用会社と運用担当者は、元本割れの不名誉が怖くてMMFはとてもやって行けない。複数の会社がMMFを販売停止とした。
さて、率直に言うと、金利が下がったその時に「おカネはどこに預けるのが有利なのか?」という関心を持つのは、いい運用センスとは言い難い。しかし、日本人は貯蓄好きだとの通説を奉じるせいか、新聞・雑誌はこぞってマイナス金利下の運用先に関する特集を組んでいる。
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