(2)長期金利上昇(=国債暴落)に強い
現在利回りが0%近傍の10年国債の利回りが仮にいきなり2%上昇すると、この国債の価格はざっと2割下落することになる。これが、いわゆる国債暴落だが、将来インフレ目標が十分以上に達成されて、日銀が長期国債購入をストップすると、2%程度の長期金利急上昇は起きてもまったくおかしくない。
こうした長期金利上昇時に、固定利回りの債券を保有していると、債券価格が急落して大きな損を抱えることになる(「満期まで持てば損をしない」という考え方は、満期まで高利回りで運用できる機会があるのだから、正しくない)。
ポイントは「金利変動に対して無難」なところ
長期金利上昇が起こった場合、「個人向け国債・変動10」は、元本が値下がりすることはなく、クーポン(利息)は半年ごとに長期金利の66%の水準で支払われる。仮に、長期金利が3%になれば、「個人向け国債・変動10」の利率は2%だ。「その時点で」ベストではないかも知れないが、腹の立たない水準だろうし、更に長期金利が上昇する可能性があることを考えると、長期固定利率の債券よりも安全だ。
一言で言うと、「金利変動に対して無難」なのだ。
現実的に、個人のお金は小回りが利かない。小回りが利くとしてプロが必ず金利市場で上手く稼げるわけでもない。マイナス金利も含めて、超低金利時代に最も大切なことは、将来来るかも知れない超低金利の終わりに備えたリスク対策なのだ。あえて申し上げるが、小数点2位以下%単位の小さな金利差は、将来の金利変動リスクに比べて、大きな問題ではない。
(3)最低保証利回り0.05%が今となっては有利
小さな利回り差は問題ではないと言った後に、このポイントを挙げるのは少々気が引けるが、利回りが有利ないし勝っていることは、小さくはあっても現実に得なのだし、気分がいい。
半年単位の最低利回りの0.05%は、大手銀行の定期預金が10年定期でも利率0.025%であることと比較すると、この時点ですでに有利。しかも、これが最低利回りなのだから、将来長期金利が上昇すると、その差がさらに開く可能性がある。どちらがいいかは明らかだろう。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら