9月入学は、日本の大学システム変革の一歩 立命館大学・川口清史総長インタビュー

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9月入学生の実施は、近代教育の転換点

――国際関係学部と、大学院ですでに9月入学が始まっています。

いま、日本で提議されている秋入学は、4月から9月入学へと、単純に動かすこととと思われているようだが、実は違う。これは大学のシステムを大きく変えていくことだ。学年制、セメスター制、クオーター制でも大きく変わるし、授業の進め方、単位の取り方学生の取り方も変わってくる。

本学では、2011年度から国際関係学部でも秋入学を実施している。9月入学にすることで、選択肢が増えより多様な学び方ができることが大事だと考えている。今後は、学部の教学に合わせた形で、必要とあれば学部ごとに導入を検討していくことになる。

高校との接続にも選択肢が増えるだろう。たとえば、立命館大学には4つの附属高校があり、毎年1000人ほどがそこから入学する。一つの例だが、そのような生徒は高校3年生の秋から1年間海外留学して語学などを学び、帰国して9月から入学する、といったカリキュラムも考えられる。

多様化する世界のなかで、これまでのキャッチアップ型の教育、知識伝達式の授業では不十分だ。まさに近代教育の転換点に来ており、自発的に自分で動くことができる人材が求められている。立命館大学は、そのような人材をいかに育成していくかを、常に考えている。

(撮影:梅谷 秀司)

福田 恵介 東洋経済 解説部コラムニスト

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ふくだ けいすけ / Keisuke Fukuda

1968年長崎県生まれ。神戸市外国語大学外国語学部ロシア学科卒。毎日新聞記者を経て、1992年東洋経済新報社入社。1999年から1年間、韓国・延世大学留学。著書に『図解 金正日と北朝鮮問題』(東洋経済新報社)、訳書に『金正恩の「決断」を読み解く』(彩流社)、『朝鮮半島のいちばん長い日』『サムスン電子』『サムスンCEO』『李健煕(イ・ゴンヒ)―サムスンの孤独な帝王』『アン・チョルス 経営の原則』(すべて、東洋経済新報社)など。

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