9月入学は、日本の大学システム変革の一歩 立命館大学・川口清史総長インタビュー

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卒業生は日本人学生、留学生ともに就職後の企業からも評価が高い。これは、多文化の中で若者同士が、時にはけんかもしながら向き合っていく過程で生まれた、国境を越えた絆が評価されていると思っている。「多文化における協働」、何かを一緒に創りだしていくことは、すでにAPUの学生なら卒業までに何回もやっている。

APUの取り組みは日本ではまだめずらしい。このような、「多文化協働」の場を提供することも、大学の役割の一つだ。若者が育つ場としてどのような学びの機会を提供できるか。それが重要だと思う。

――グローバル人材の育成とはいえ、いくつかのプロジェクトに取り組みながらも、なかなか成果を出せずにいる大学も少なくはありません。

本学はこの点においてイノベーションを繰り返してきた。大学全体の国際化にはまだまだ課題が多いが、待ったなしの状況だ。全学生を対象とした国際プログラムの充実に加えて、各学部の教育に落とし込んだプログラムを開発していく取り組みを進めていくことが重要だ。

本学には13の学部があり、それぞれの人材育成方針が異なる。学生数も各学部で異なり、学生の考えやキャリアプランもバラバラだ。この状況はどの大学でも同じだろう。となると、国際教育に関わる部署の企画・調整力が重要になってくる。グローバル人材の育成という目標を大学全体、各学部の教育方針にどのように落とし込んでいくか。教職員の力量が問われてくる。

――外国からの留学生を受け入れることも大事ですね。ただ一方で、授業料や生活費など経済的問題で足踏みする学生も多いようです。

立命館大学が海外の提携校と実施しているプログラムは、予算面での大学の負担も大きい。また、海外の大学のなかには、自国の学生より外国人学生の授業料が高いケースもあり、学生に負担がかかってしまうこともある。

グローバル人材の育成は今後の日本社会にとって重要なことだ。国、あるいはそのような学生を受け入れる企業には「先行投資」と考えていただき、学生の負担を軽減するために協力をお願いしたいと思っている。

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