次に、業種ごとの取得率の平均値をご紹介する。最も高かったのは電気・ガス業で78.5%(11社)。続いて石油・石炭製品74.1%(3社)。ほかに輸送用機器68.7%(43社)、ガラス・土石製品67.8%(9社)、情報・通信業61.7%(50社)などが高かった。
一方、最も低いのは小売業31.2%(43社)。ほかに建設業32.1%(41社)、倉庫・運輸関連業32.6%(10社)、不動産業36.0%(15社)といった業種が下位となった。
全体的な傾向として、非製造業の取得率が低い。ただし、業種によっては集計対象社数が少なく、一概にその業種の傾向を表しているとはいえないこともあるので注意が必要だ。
このように有休取得の状況は業種によって大きく異なる。傾向として製造業は高く、非製造業は低いが、製造業の中でも上述したような差がある。
多い祝日数と通年営業
取得への取り組みはそれぞれの業容、業態に応じたやり方が必要だが、企業努力だけでは難しい面もある。取得率が最も低い小売業などは、通年営業が常態化する中、通常の休みも交代で取らざるを得ず、週休2日でさえ厳しい会社も存在する。さらに、日本の祝日数は世界でも有数の多さだ。こうした休日の混雑集中で小売業、サービス業などはさらに休みが取りにくい状況になっている。
今後、日本は産業のサービス化がさらに進むことが予想される。従業員が一斉に休めない会社はさらに増えていくだろう。これらの業種でも休みをどう取りやすくしていくかの創意工夫が、日本全体の有休取得推進のために避けて通れない。
(撮影:大塚一仁)
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