「おやじネットワーク」に食い込むメリット 「おやじ村の一員」になることが、出世につながる

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「口が堅い」ことは絶対条件

ところが多くの女性は、この「おやじネットワーク」があるということにすら気づいていないことが多いのです。あるいは気づいていても、「私には関係ない」と、自分と切り離して考えてしまう人が多いようです。社内政治、出世、処世術、といったことを敬遠する傾向があるようですが、「成長の機会」や「情報へのアクセス」への「手段」を自ら手放してしまっているようなものです。

こんなにもったいないことはありません。女性たちも、「おやじネットワーク」に食い込む努力をしたほうが絶対にいい。こちらから飛び込んでいけば、案外受け入れてもらえるものです。「誘ったら迷惑かと思っていた」と気を遣われていることさえあるようです。一部の経営者組織には公然と「女性お断り」を宣言している組織もあるようですが、非常に稀な例ではないかと思っています。

ただし、非公式の組織といえども、入会に当たっては目に見えない審査があるように思います。それにはまず、こちらの「真剣に仕事をしたい」という覚悟を理解してもらうこと。やはり女性は男性に比べ、どうしても「結婚・出産するまでの腰掛けじゃないか」と思われやすいためです(本当は男性だって、すぐ辞める人はいるのですが)。「女を捨てておじさん化する」必要も、「おじさん受けする人になる」必要もないのですが、「長期的に仕事に打ち込む所存である」と態度で示すことが大事なのです。

また、あたりまえですが「口が堅い」ということも重要。「こいつなら、ここで話したことは外に漏らさない」と思ってもらえるかどうかです。内輪だからこそ、みんな腹を割って話しているのに、それを外でベラベラしゃべられたら、内輪の意味がありません。

ところが女性はあまり深く考えずに、飲み会の席での上司の失敗を職場のみんなに面白おかしくしゃべってしまったりします。片や上司の信頼を得る男性社員は、その場にいたメンバーだけの秘密として胸に納めておくことができます。しかもその「秘密を共有している」という共犯感覚が、さらにネットワークの結びつきを強めたりするのですから、「口が堅い」ということは絶対条件なのです。

(構成:長山清子、撮影:今井康一)

※ 続きはこちら:「おやじネットワーク」を活かし“集団出世”を

岡島 悦子 ヒューマンキャピタリスト、プロノバ社長

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おかじま えつこ

ヒューマンキャピタリスト、経営チーム強化コンサルタント、リーダー育成のプロ。三菱商事、ハーバードMBA、マッキンゼー、グロービス・グループを経て、2007年プロノバ設立。丸井グループ、セプテーニ・ホールディングス、マネーフォワード、ランサーズ、ヤプリにて社外取締役。20年12月より、ユーグレナの取締役CHRO(非常勤)に就任。世界経済フォーラムから「Young Global Leaders 2007」に選出。著書に『40歳が社長になる日』(幻冬舎)他。

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