福袋の三つの特徴 まとめて・安く・不確実?
福袋の特徴は大きく分けて三つある。まず一つ目の特徴は「まとめ売り」だ。一つの福袋の中には、通常複数のアイテムが入っている。
そして二つ目はその「値段の安さ」。福袋の値段が、中に入っているアイテムの定価合計の半額以下になるくらいは当たり前で、7~8割引なんてことも決して珍しくない。商品がたくさん詰まっていて、その値段が格安、とくれば消費者が福袋をお買い得と感じるのも、もっともだ。
けれども、この二つのポイントが、そこまで珍しい特徴かというと、そうでもないだろう。複数のアイテムの抱き合わせ販売は日常的に観察されるし、安売りならセールやバーゲンを通じて定期的に行われる。また、その二つを組み合わせた、「□ブランドの商品を○個買えば、△円値引き」という売り方も、しばしば見掛ける。
では、福袋を福袋たらしめているユニークなポイント、三つ目の特徴が何なのかというと、それはやはり中身の「不確実性」だろう。消費者の視点からは、「運」と言い換えられるかもしれない。初詣のおみくじと同じで、福袋の中身は買って開けてみるまでわからない。こういった極端なリスクを伴う商品には、通常ほとんどお目にかからない。
中身がわからないというのは、一見するとおみくじのようなドキドキ感やワクワク感を生んで、消費者にウケそうな気もする。ただ、多くの消費者はこういった不確実性を嫌う(=リスク回避的である)ことが知られている。
たとえば消費者が二人いて、どちらも商品Aには8000円の価値、商品Bには2000円の価値があると考えているとしよう。いま、二つの商品をそのまま、つまり何が得られるかを明らかにして販売すると、売り手は8000円+2000円で1万円を手にすることができる。
では、福袋のように中身がどちらかわからない形で、二つ並べて売りに出した場合には、いったい何が起こるだろうか?
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