佐藤優の教育論「偏差値を追うと人格が歪む」

『子どもの教養の育て方』特別編(その1)

佐藤:外務省の中で、僕はさんざんそういう例を目の当たりにしました。

外務省の幹部が鈴木宗男さんの前で土下座をしたり、「浮くも沈むも大臣と一緒です」と涙を流したりする光景を何度も見てきました。鈴木さんを前にして震え上がっているのも見た。

でも、僕はこれらを全部芝居だと思っていたんです。政策実現のためのテクニックなんだと。ところがそうではなくて、どうも本当に怖かったみたいです。

どういうことかというと、彼らは中学生か高校生のときに、必ずいじめられたことがある。そのときのいじめっ子と鈴木さんが重なるんです。

僕は、例の事件で検察から取り調べを受けました。検察官というのは、司法試験を受かったから、一応成績はいいわけです。ただ、実はトップクラスはいない。トップクラスは裁判官になるんです。でも、司法試験だって苦節何年の世界です。実のところ、中央や早稲田といった私大からのたたき上げが結構多いんです。

そうすると、検察官になったとき、今までいじめられてきた暗い青春のその部分を、取り調べで被疑者をいじめ返すことによって復讐してやるみたいな、暗い感じのやつが多いんです。

井戸:受験や競争の世界だけで育ってしまうと、バランスのとれた大人にはなれないということですね。

※ 対談の続きはこちら:

(その2)行かせるなら公立? 私立?

(その3)本当に力がつく本の読み方

(構成:髙橋扶美/鈴木充、撮影:今井康一)

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