米でも麺でもない、中州が誇る「伝説のシメ」 中高年の心と体を癒やす「おふくろの味」
ススキノ(札幌市)、歌舞伎町(東京・新宿)と並ぶ、日本三大歓楽街の一つが、福岡市・中洲だ。那珂川と博多川に挟まれたまさに「中州」には、2600軒ものスナックやクラブがひしめき、水面に映るネオンが男心を誘う。
飲み会のフィナーレを飾るのが「シメ」だ。ラーメン、ギョーザ、うどんが「定番」(地元会社員)とはいえ、中高年の胃には「重い」時が。グルメもひしめく中洲には、地元通のシメがある。男が作る、おふくろの味だ。
那珂川沿いの横町、人形小路に入ると…
おわんのふたを開けると、もわっと湯気が広がった。
一杯のみそ汁。
「豆腐と油揚げ」「あらかぶ」など15種類のうち、最も人気の「玉葱とうずらの玉子」(税別350円)を頼んだ。
一口含んだ。熱っ。みそもだしもほどよく、互いの個性を尊重し合って、バランスがいい。タマネギはシャキッとした食感が残る。二つ浮かんだウズラの生卵が、余熱で固まっていく。
ここは那珂川沿いの横町、人形小路。軒を接する料理屋の一角に「味噌汁 田(でん)」はある。
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