福岡市のゴミ収集が「真夜中」に定着した理由

満足度97%!収集の方法も至れり尽くせり

福岡市のごみ収集はなぜ夜間に行われているのでしょうか(写真 :years / PIXTA)

福岡市で生活を始めてまず驚くのは、ごみ収集のルールだろう。「ごみは日没から夜12時までに出してください」。市ホームページには、こう記されている。

全国20政令市のうち、全市域で夜間収集を行うのは福岡市だけなのだ。出勤時、カバンを脇に抱えてごみ袋を持つ、朝のお父さんおなじみの光景は、この街ではお目にかかれない。

朝のニオイなし!防犯・防災にも役立つ

当記事はqBiz 西日本新聞経済電子版の提供記事です

市によると、夜間収集が徹底したのは高度経済成長のさなかの1961年ごろ。モータリゼーションの幕開けとともに、「交通渋滞を避けるため導入した」という。

思わぬ効果もあった。まず、ごみの散乱が少なくなった。夜は、袋を漁って散らかすカラスが眠っているからだ。約190台のパッカー車が夜、街を駆け巡ることで、防犯・防災にも役立っているという。生活者としては、朝、ごみ置き場の腐敗臭で憂鬱にならないですむのがいちばんうれしいことかもしれない。

課題もある。深夜から夜明けにかけての特殊業務のため、コストがかさむ。作業員の深夜手当は年間約6億円にも上る。ただ、2015年度の市民アンケートでは、夜間収集の満足度は「97・3%」という人気。街の魅力を高める意味で、市は「やめられない」という。

次ページ騒音をなくすための驚くべき気遣い
ビジネスの人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 就職四季報プラスワン
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
  • ソロモンの時代―結婚しない人々の実像―
  • 世相をリアルに映し出す 流転タクシー
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
コロナでもブームは過熱中<br>不動産投資 天国と地獄

家計のカネ余りを背景に、マンションやアパートなどへの投資熱は冷める気配がありません。しかし、不動産投資にリスクはつきもの。先行きが見通せない状況で、何が優勝劣敗を分けるのでしょうか。現場の最前線を追いました。

東洋経済education×ICT