「芸術」で地方経済は変わる?佐賀大の新機軸 全入時代、地方大学の生き残りをかけた模索

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グループで協力し、1分間の自己紹介動画を制作した学生たち=佐賀市の佐賀大学芸術地域デザイン学部

佐賀大学が文化教育学部を改組し、佐賀県立有田窯業大学校(西松浦郡有田町)を統合した「芸術地域デザイン学部」を4月に発足させて1カ月がすぎた。芸術分野で地域活性化に貢献する人材の育成を目標に始動した意欲的なカリキュラムは、地方大学の生き残りをかけた模索でもある。キャンパスで変化を探した。

4月下旬の佐賀市の本庄キャンパス。新学部の115人があちこちで、スマートフォンで動画を撮っていた。前期に集中して受講する「共通基礎」の一コマ。1分間の自己紹介動画をグループで制作していた。

「今までにない大胆な科目設定」

当記事は佐賀新聞LIVEの提供記事です

地域デザインコースの中島実紀さん(18)は、趣味の読書を紹介する動画をグループの仲間とアイデアを出し合いながらまとめた。「自分の新たな一面を見つけた。情報を受け取るだけの講義とは違い、新鮮」と充実した表情を浮かべた。

共通基礎は新学部の1年生全員が受講し、教員も全24人が関わる。1週間の25コマのうちほぼ半数の12コマを割き、絵画やマネジメントなど幅広いテーマで学ぶ。基礎学習に加え、地域貢献の基盤になる人間関係づくりを重視した内容で、指導する荒木博申教授は「今までにない大胆な科目設定になった」と胸を張る。

今回の学部再編は、文部科学省が2013年、国立大学法人の教育学部で教員免許取得を義務付けていない課程を廃止する方針を打ち出したことが背景にあった。佐賀大は県と有田窯大の統合で合意、14年には芸術に特化した「芸術学部」の創設を発表したが、学部名は最終的に「芸術地域デザイン学部」になった。

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