「子なし夫婦」に求められる"覚悟"とは何か 相手に迷惑を掛けず、すべて自分でやる

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ひとりで好きなところに行ける自由が嬉しかった(撮影:梅谷秀司)

少子化の今、産まないという考え方は“悪いこと”なのだろうか。

多くが出産を望み、命が生まれることは素晴らしいことだ。しかし、“産まない”という選択肢を選ぶことも否定はできない。決して子供が望めない体でもない、嫌いなわけでもないが、産む決断と同じように、産まない決断をする女性も増えている。

これまで、20代にして産まないことを決意した和香(29)DINKSでいることを選んだ真奈美(36)独身を謳歌しているバツイチの恵美(43)結婚15年目を迎えた香織(46)を紹介した。

前回からはこれまで結婚も出産もすることなく、ひとりでここまで生きてきた雪乃(49)にスポットを当て、彼女の20代を振り返った。今回は30代のころ、人生で一番辛かった経験について話を聞きたい。

31歳:仕事が軌道にのり、人生が楽しいと実感していた

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27歳で選んだ選択は間違えていなかった。当時の彼のプロポーズを断り、母にも正直に自分の気持を伝えたあとは、自己満足だが清々しい気持ちでいっぱい。とにかく、この5年は仕事に打ち込み、気がつけば立場はどんどん上がっていた。

部下ができれば“結婚” “出産”というのも、全く考えようと思わない。むしろ彼女たちを一人前にするまでは休めないな、と自分に言い聞かせていたのだ。それは誰かの犠牲で生まれたことではなく、わたし自身がそうしたいからだった。

29歳を過ぎるころには半数以上の友人が結婚。わたしはいわゆる“行き遅れ”のひとりとしてカウントされていた。32歳になれば嫌でも周りから「結婚は?」「早く孫見せてあげないと」とプレッシャーを掛けられる。したくない理由を解ってもらえない人に説明するのは、面倒だったので「いい人がいればね」と話し、いつもその場を収めていた。

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