高年収な人ほど「老後貧乏」に陥りやすい理由 「なんとかなる」という甘い算段は危険だ

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今のうちから備えておきましょう(写真:Graphs / PIXTA)

「老後破産」「老後貧乏」――。

近年、よくメディアで目にするこれらの言葉を見て、現役世代の人はどう思うでしょうか? もし、「自分は大丈夫」「なんとかなるだろう」と思っているとしたら、とても危険です。

老後の家計は基本的に「赤字」

日本の生活保護受給世帯は160万強。そのうち約半数を高齢者世帯が占めています。今後も高齢者人口の増加と比例して、生活が立ち行かなくなる世帯が増え続ける可能性が高そうです。なぜなら老後の家計は基本的に「赤字」になるからです。2014年度の総務省の家計調査によると、年金暮らしの高齢夫婦無職世帯の収支は平均で月6万1560円の不足で、年間約74万円の赤字。この分は貯蓄で補填していることになります。

現在、貧困に苦しむ高齢者の方だって好き好んで苦しんでいるわけではありません。きっと「なんとかなる」と思っていたはずです。しかし、現実はそうではなかった。これから人口が減っていき、ますます厳しい状況が予想される現役世代は、どうすればおカネに困らない老後を迎えることができるのでしょうか?

『「なんとかなる」ではどうにもならない定年後のお金の教科書』の著者であり、ファイナンシャルプランナー・公的保険アドバイザーとして多くの人におカネにまつわるアドバイスをしてきた山中伸枝氏が、老後貧乏に陥らないためにどうすべきかを紹介します。

実は「老後貧乏」に陥る危険性が高いのは、いま年収がそこそこある人です。マイホームもあって、特に節約なんてしなくても普段の生活でおカネに困ることなんてない。このような人は、老後の生活というものがどういうものか、そして退職後は誰でも収入がガクンと減ることをイメージできないのです。

退職後はみんな年金生活に入り、収入がガクンと減ります。国が発表している標準的な夫婦の年金額は月22万円(平成28年度新規裁定者)、年収にすると260万円程度です。いま年収500万円であれば約半分、800万円であればおよそ3分の1に収入が減ります。いま年収が多い人ほど、このギャップに苦しむことになります。

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