高年収な人ほど「老後貧乏」に陥りやすい理由 「なんとかなる」という甘い算段は危険だ

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人は一度上げた生活水準を下げることはなかなかできないものです。ですから、年金収入で足りない部分は貯蓄で補うしかありません。

私はファイナンシャルプランナーとして多くの人の老後の資産形成の相談を受けますが、「老後が不安」という人はたくさんいます。しかし、「不安だ」と言いながらも漠然と「なんとかなる」と考えていて、具体的な貯蓄の計画を実行している人はほとんどいません。

現役世代である今のうちから老後の生活をイメージし、計画的に老後の資金を貯めておかなければ、安心した老後生活を手に入れることはできません。

老後の資金計画を立てるうえでまず考えなければいけないことは、次の2点です。

・ 老後の毎月の生活費を見積もる

・ 老後の定期的な収入を見積もる

老後の生活にはいくらかかるの?

生命保険文化センターが発表した2013年度の「生活保障に関する調査」の速報値では、いわゆる年金生活者の家計を見ると、食費などの生活費の合計が25万円程度。旅行やレジャーなど、ゆとりある生活を送るには35.4万円が必要であると発表しています。

よく「老後には1億円が必要」といわれることがあります。実際にゆとりある生活を送るために必要な1カ月の生活費を35.4万円とすると、65歳から25年間に必要な老後資金は1億0620万円となります。仮に老後を20年間と仮定しても8496万円となりますから、なるほど老後に1億円というのはウソではないことが実感できます。

しかし、これはあくまでも「よそんち」の話だということです。実際には、60歳のときに住宅ローンがいくら残っているか、まだ教育費がかかる年齢の子どもがいるかなど、さまざまな要素によって毎月いくら必要になるかは異なります。

大切なことは、ご自身の家計がどうかということです。特にいま家計簿や家計の収支がわかるような記録をつけていないというドンブリ家計の方は要注意です。まず、現在のおカネの出入りを確認するため、1カ月でも家計簿を続けてみましょう。いま毎月いくらかかっているかがわかるようになれば、老後の月の生活費も予測しやすくなります。

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