米国の「銀行強盗」は平均40万円しか稼げない でも成功率は意外と高い?統計でわかる真実

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全体としてみると、アメリカの銀行強盗は、成功した場合、平均で1回あたり4120ドルを稼いでいる。でも、ぼくが思っていたほど成功率は高くなかった。100回に35回は捕まっている! だから、6回目の木曜日にまでたどり着いたニュージャージーの彼は、ぬきんでていたと言える。

銀行強盗は割に合わない

イギリスへ行っても銀行強盗の成功率はアメリカと同じようなものだ。でも、イギリスの銀行強盗のほうが、全体としてはずっとたくさん稼いでいる。経済学者のバリー・ライリー、ニール・リックマン、ロバート・ウィットの3人は、イギリス銀行協会からお宝のような銀行強盗のデータを山ほど貰ってきて分析し、『シグニフィカンス』誌に論文を書いた。王立統計学会の論文誌だ。

銀行を襲うと、失敗する場合も含めて、平均ではだいたい3万ドル稼げるのを彼らは発見した。また、全体でみると、徒党を組んで銀行を襲えば稼ぎは大きく跳ね上がる、3人はそう書いている。銀行強盗の稼ぎは強盗1人あたり平均で1万8000ドルだ。これはアメリカの同業者に比べるとずっと多い。

でもやっぱり、逮捕される可能性は高い。それを受けて論文の著者3人は、こんな結論を書いている。「銀行強盗の平均収益は、正直に言って、しょぼい」。また「利益を追求する生業としての銀行強盗には大きな課題が残る」。

というわけで、銀行襲うなら一番いいのは、どうやら……絶対襲わないことだ。もちろん、どっかの銀行で働いているなら話は別。それでも、代わりに諦めないといけないものは大きい。金輪際、ヴァケイションは取れなくなるかもしれないですよ。

スティーヴン・D・レヴィット シカゴ大学経済学部教授

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Steven D. Levitt

40歳未満で最も影響力のあるアメリカの経済学者に贈られるジョン・ベイツ・クラーク・メダル受賞。ヤバい経済学流の考え方を企業や慈善活動に応用するグレイテスト・グッドの創設者。

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スティーヴン・J・ダブナー 作家・ジャーナリスト

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Steven J. Dubner

作家として表彰を受け、ジャーナリストとしても活動し、ラジオやテレビに出演する。最初の職業――あと一歩でロックスター――を辞め、物書きになる。以来、コロンビア大学で国語を教え、『ニューヨーク・タイムズ』紙で働き、『ヤバい経済学』シリーズ以外にも著書がある。

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