銃撃犯がいても試験を続ける米名門校の病弊 UCLA銃撃事件…そのとき何が起きていたのか
カリフォルニア大学ロサンゼルス校、通称UCLA。青空にヤシの木が映える、西海岸カルチャーの象徴のようなキャンパス内で、6月1日午前、エンジニアリング学部の教授が銃で撃たれ、死亡する事件が起きた。
犯人はUCLAの博士課程卒業生。自身の博士論文のアドバイザーだった教授が「自分のコンピュータ・コードを盗んで他人に与えた」と信じ込んで恨みを抱き、銃を持ってキャンパスに入り、教授を射殺。その後、銃で自殺した。
米国でも有数の州立大学のキャンパスで起きたこのショッキングな事件、当日のテレビ報道では走って逃げ惑う学生らの姿がライブで映し出された。
マシンガンを持った警官らが、多数の学生たちに対し、両手を挙げて地面に膝をついて並ぶよう命じて、身体を触り、武器を持っていないかを確かめている光景もTV画面に流れた。
事件の翌日、UCLAキャンパスを訪れた。
事件翌日にはすべての授業が再開
殺害現場となったエンジニアリング学部を除く、すべての学部で授業がすでに完全再開されていた。
学生たちが、いつものように集まり、芝生の上やカフェテリアで語り合い、勉強している。卒業予定の学生が満面の笑顔でガウン姿で記念写真を撮り合う。その横を、中国からの団体旅行客たちが、旗を持つツアーガイドの後をついて歩き、談笑している。
そんな光景を見ると、まるで何事もなかったかのような錯覚に陥る。だが、その「ノーマルさ」の裏で、多くの学生たちは、困惑していた。
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