米史上最悪、フロリダ乱射事件の一部始終 容疑者は乱射前、自ら警察に通報していた
米フロリダ州オーランドで12日未明、同性愛者が集まるナイトクラブで男が銃を乱射して50人が死亡、53人が負傷。米国史上で最悪の乱射事件となった。当局が現在のところ把握している事件の経過は次の通りだ。
— 午前2時前(オーランド時間)、オーランドから約120マイル(約190キロ)離れた同州フォート・ピアスに住むオマル・マティーン容疑者が、同性愛者のナイトクラブ「パルス」の外にバンを止めた。彼は襲撃直前、警察に緊急通報の電話をかけ、過激派組織「イスラム国(IS)」への忠誠を誓った。
— 午前2時2分、同容疑者はクラブに入った。オーランド警察署のジョン・ミーナ署長によると、AR-15式半自動小銃と拳銃、多数の弾薬を携行しており、乱射を開始した。
地元署長「最初の銃撃戦後に人質が取られた」
同署長によれば、勤務時間外ながら武装していたクラブのセキュリティ担当者がマティーン容疑者に応戦して「銃撃戦」を行った。同容疑者は最初の乱射の後、いったん外に出てから、中に戻った。そして「まさに人質が取られる事態になった」(ミーナ署長)。
そして警察は体勢を整えてSWAT(特殊火器戦術部隊)チームと武装車両を配置した。中にいた容疑者と「何度か話し合う場面もあったが、その内容をすぐには明らかにするつもりはない」(署長)。
ミーナ署長によると、この間、同容疑者がクラブの中で殺害を行っていたかは不明で、当局は慎重に対決の準備をしていた。「人質が取られている状況下であればどんな時でも、われわれは必ず十分な人員を整えるため、できうる限りの手段を整える」(署長)。
— 午前3時、ナイトクラブがフェイスブック上で警告を出した。
この間、警察はクラブの内部からの情報を基に、少なくとも15人がトイレに隠れていることを把握した。
—午前5時、 警察は人質の救出活動を開始。容疑者を混乱させるため2つの爆発を起こした。職員11人がクラブに突入、再び銃撃戦となり、マティーン容疑者は殺害された。職員の1人は頭部を撃たれたが、同署長によれば、ヘルメットのおかげで重傷は免れた。少なくとも30人の人質の生存が確認された。