ロンドン、「国会議事堂テロ事件」の一部始終 目撃者たちが語る恐怖の現場

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テロがあった英国会議事堂そばのウェストミンスター橋付近(写真:Andrew Testa/The New York Times)

3月22日、英国ロンドンの中心部である国会議事堂付近でテロが発生し、加害者と警官各1人を含めた少なくとも4人が死亡、20人が負傷した。一時はメイ首相が緊急の避難を求められるほどの騒ぎになった。警察当局は、テロであるとの見解を示している。ロンドンで起きたテロとしては、10年以上前に発生した地下鉄爆破事件以来の規模となった。

現場となった国会議事堂付近は22日午後、救急車や緊急車両、武装した警察官でごった返した。テリーザ・メイ首相の側近によると、首相は急きょ車に乗り込んで官邸に移り無事だった。

英国警察でテロ対策を統括するマーク・ローリー副総監が記者会見で語ったところでは、攻撃発生は22日午後2時40分ごろ。国会議事堂に近いウェストミンスター橋で、大型車が歩行者を次々となぎ倒し、2人が死亡。フランスから来た10代の学生数人を含む多数の人々が負傷した。

ブリュッセルの自爆テロから1年

その後、大型車から少なくとも1人の男性が降りて国会に近づき、武装した警官1人を刺殺した後、当局に射殺された。ローリー副総監は、警察はこうした事件を想定してはいたものの実際に発生してしまったのは悲しいことだとした上で、「2度と起こらないように望む」と述べた。

攻撃が発生した22日は、容疑者3名を含む35人が死亡したブリュッセルでの自爆テロのちょうど1周年だった。パリ、ブリュッセル、ベルリンに続いて、ロンドンも大規模なテロに見舞われてしまった格好だ。

フランスのオランド大統領は、パリ近郊ヴィルパントでの記者会見で「テロはわれわれ全員を標的にしており、英国の人々がきょう受けた痛みをフランスは知っている」と述べた。メイ首相は事件を受けて、オランド大統領やトランプ米大統領と連絡を取り、22日夜に緊急の閣議を招集することを明らかにした。

英国警察のB・J・ハリントン警視長は記者への説明の中で「全面的なテロ捜査を進めている」と語り、ロンドン中心部で撮影された画像やビデオの中から疑わしい行動をチェックしていると述べた。ハリントン氏によると、攻撃に遭遇したものの負傷を免れたクレイグ・マッキー警視総監補は「重要な証人として扱われている」。負傷者20人には、少なくとも3人の警官や、仏ブルターニュ地方から来た学生や、テムズ川に落ちた女性1人も含まれているという。

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