よくわかる!歴史から読む「トランプ旋風」 人気予備校講師が教える「ニュースの教養」

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日本人には理解が難しいトランプ旋風を、歴史から読み解きます。(写真:ロイター/アフロ)
米国大統領選挙の指名争いで、旋風を巻き起こしている共和党のドナルド・トランプ氏。暴言王とも揶揄されながら、予備選では勝利を重ね、全国的な情勢調査でも首位に。日本人からは理解しがたい、この現象の裏には何があるのか――。
「日本の学校では、ニュースを理解する教養を教えてくれない」と語るのは人気予備校講師の茂木誠氏。『報道2001』や『久米書店』(3月13日18時より放送予定)に出演、 近著『ニュースのなぜ?は世界史に学べ』も好評の茂木氏が語る、今回の大統領候補、指名争いのキモとは。日本人にはなかなか理解できない「共和党」の支持基盤について、世界史から解説する。

トランプもサンダースも、米国の病理を映している?

「オバマの次」を決める2016年大統領選挙。事前の予想では、元大統領夫人のヒラリー・クリントン(民主党)と、元大統領の弟であるジェブ=ブッシュ(共和党)が両党の候補となり、クリントン家VSブッシュ家の宿命の対決になると思われていました。

ところが、指導力不足のジェブ=ブッシュがまさかの選挙戦撤退。代わりに共和党候補として急浮上したのは、政治家としてのキャリアがゼロの「不動産王」ドナルド・トランプ。日本でいえば、ホリエモンさんや楽天の三木谷さんが総理候補になるような話です。

もうひとつ、今回の選挙を引っ掻き回しているのが、民主党のバーニー・サンダース。この自称社会主義者の一見パッとしないおじいちゃんが口を開くと、若者たちが熱狂するという怪現象が起こります。ヒラリーが足元をすくわれる恐れがあり、混沌としてきました。

トランプは「不法移民を追放する。メキシコ国境に長城を作る」という超タカ派。サンダースは「金持ちに増税する。大学まで学費をタダにする」という超リベラル。

政策は真逆ですが、2人とも今の米国社会の病理を映す鏡だと私は思います。

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