筆者は先日、西側とBRICSプラスとの間でより緊密な協力を促す新たな政策プラットフォームを共同で立ち上げた(BRICSプラスとは、ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカに6つの新興国が加わったグループだ)。
感染症や、抗生物質が効かなくなる薬剤耐性、気候変動、AI(人工知能)の管理、世界の経済的不均衡といった問題には、それぞれの国が単独で行動していたのでは対処できない。その事実をしっかりと認識してもらうことを目標にしている。
だが、これに対して聞こえてくるのは、「西側やBRICSプラスにたいした意味はない、大事なのはアメリカと中国だけだ」という例の決まり文句である。その説によれば、大半の国々は、それがどのような方向であろうと、この2大超大国が進む道に従うことになる。
EUはアメリカと中国に匹敵する巨大経済圏
本当にそうだろうか。
確かに経済規模では、アメリカと中国が他国を圧倒していることは誰にも否定できない。現在のGDP(国内総生産)はアメリカが約30兆ドル、中国が約20兆ドルなのに対して、日本、ドイツ、インドはアメリカのおよそ6分の1、中国の4分の1にすぎない。そうはいっても、欧州連合(EU)を単一の経済圏と見た場合、そのGDPは21兆ドルと、アメリカや中国に比肩する規模となる。
アメリカの経済規模はアメリカを除くG7(主要7カ国)を全部ひっくるめたものよりも大きく、中国の経済規模も中国を除いたBRICSプラス諸国を全部合わせたものの2倍近い。
この記事は有料会員限定です
残り 1371文字


