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イラン戦争で世界の覇権はアメリカから中国へ。「BRICSプラス」に追い風の中、5月の米中会談でトランプは苦汁をなめる

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2025年7月、ブラジル・リオデジャネイロで開かれたBRICS首脳会議(写真: Bloomberg)

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アメリカとイランが合意した2週間の停戦について、多くは次のような疑問を抱いているはずだ。トランプ大統領が勝利を宣言して戦争を終わらせられるような条件がそこで整う可能性は本当にあるのか、と。

必要条件の1つは、ホルムズ海峡の恒久的な開放だろう。世界に供給される原油のおよそ2割はホルムズ海峡を経由している。だが、そもそもトランプがイランを攻撃しなければ、海峡が封鎖されることもなかったのだ。

トランプ関税が違法とされ戦争に走った?

開戦から最初の1カ月で浮かび上がった教訓はほかにもある。

チェコ・プラハに本拠を置く国際的NPO「プロジェクト・シンジケート」は多くの有力者の論評・分析を配信しています。「グローバルアイ」では、主に同シンジケートのコラムの中から厳選して翻訳・配信しています

1つは、イスラエル指導部の考え方に関するものだ。イスラエルのネタニヤフ首相は、大きくて見栄えのする勝利が得られるという見通しをぶら下げればトランプの関心を引きつけられると知っている。トランプ政権が2次的、3次的な影響を考えるのに足を止めるような政権でないことは承知のうえだ。

国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づくトランプ関税(「国家非常事態」を理由に議会の承認を経ずして発動された)が連邦最高裁で違法とされた直後にイランへの攻撃が始まったのは、単なる偶然ではなかろう。

もう1つの教訓は、アメリカの戦略的な無計画ぶりだ。

アメリカの安全保障に対するペルシャ湾岸諸国の信頼は裏切られた可能性がある。この戦争がイランの劇的で前向きな変化につながることを静かに期待している国家首脳もいるが、期待は戦略ではない。イランの体制は、敵をためらわせ、自らの生き残りを確実なものとするためなら、どんな一線でも越えるという姿勢を明確にしている。

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【中国やインドが新たなリーダーに】

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