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アメリカ、イランの和平協議に勝算はあるか?最悪シナリオの回避策は?中東の専門家、田中浩一郎・慶応大教授に聞く

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4月11日から翌日にかけ、パキスタンで米イラン和平協議が開催された(AP/アフロ)

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アメリカ、イランの2週間に及ぶ停戦期間がまもなく終了する。停戦の延長および戦争終結をめぐり、両者の駆け引きが続いている。果たして戦争終結に向かって事態は進むのか。あるいは再び戦火が拡大するのか。中東の専門家である慶応義塾大学の田中浩一郎教授にインタビューした。

──アメリカや日本の株式市場では、早期の戦争終結への期待感を織り込んでのことでしょうか、株価が高騰しています。

原油価格に関しては、アメリカ・イラン間の交渉が進展するとみられると価格が下がる一方、交渉が暗礁に乗り上げると価格が上がるという、はっきりとした動きが見られる。他方、株式市場では、和平交渉が頓挫しても上がり基調になっている。戦争の意味を織り込んでいないのか、あるいはすでに織り込み済みなのか、現実の懸念と大きく乖離している。

──4月17日、イランのアラグチ外相はX(旧ツイッター)への投稿で、「現在の停戦の残りの期間に限り、イラン当局がすでに発表した調整済みのルートに限り、すべての商船に対してホルムズ海峡が完全に開放される」と言及しました。アメリカのトランプ大統領も同日、「イランはホルムズ海峡を封鎖しないことに同意した」と、SNSのTruth Socialに投稿しました。

その一方でイランのガリバフ国会議長はXへの投稿で「アメリカの海上封鎖が続けば、ホルムズ海峡は開かれたままにはならない」と反論。イスラム革命防衛隊は18日、アメリカによる海上封鎖が解除されるまで、ホルムズ海峡を封鎖すると主張しました。その後も、さまざまな情報が飛び交い、再協議の見通しははっきりしていません。

(イラン関係者のさまざまな主張について)一部では、これがイラン指導部の中における路線対立や不協和音だと囃し立てる向きもあるが、そのようには見ていない。アラグチ外相の発信から革命防衛隊による警告と銃撃に至るまでの間、トランプ大統領がアメリカによる対イラン封鎖が当面は解除されない旨、SNSに追加で投稿している。

これがイラン側の態度硬化を招いた原因に他ならない。イスラム革命防衛隊による「愚か者による発信」についても、虚偽の発信が絶えないトランプ大統領に向けられた言葉であると捉えることが自然だろう。

──アメリカとイランの間での2週間の停戦は、4月21日(日本時間4月22日午前)に期限を迎えます。この間に、アメリカとイランの代表団が初めて対面し、交渉に臨みました。成果はあったのでしょうか。

交渉は不調に終わったが、初めて両者が直接顔を合わせたということ、また、長時間にわたって協議が続けられたことは、今までの経緯から見てポジティブに受け止めてよい。

ただそれはあくまでプロセスとして見た場合でのポジティブということであり、ポジティブな結果が得られることが保証されているわけではない。完全な物別れに終わらなかっただけ良かったとは思っている。

ウラン濃縮問題が最大の焦点

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