有料会員登録 東洋経済オンラインとは
ビジネス #銀行動乱

福島銀行に送り込まれた「SBI出身エリート」の使命…預金流出・有価証券含み損に苦しむ地銀を導く生き残り戦略

8分で読める 有料会員限定
福島銀行
福島銀行の経営改革を進めるためSBI新生銀行専務だった森田俊平氏が副社長に就任した(編集部撮影)

INDEX

福島銀行は今年度、直前までSBI新生銀行専務だった森田俊平氏を取締役副社長として迎え入れた。2019年に資本業務提携を結び、SBIグループの持ち分法適用会社である福島銀行には、これまでは社外取締役が派遣されてきた。それが今年度から常勤の取締役が派遣され、さらにはグループ内の株式譲渡によってSBI新生銀行の持ち分法適用会社となったことで、SBIによる経営への関与は一段と深まった。
預金減少や有価証券含み損の拡大など課題が山積している福島銀行で経営を担うことになった森田氏は、同行の生き残りに向けてどのような戦略を描いているのか。6月23日の株主総会を経て、正式に取締役副社長に就任した森田氏を直撃した。

「もったいない状況」から脱却図る

――どのような経緯で福島銀行の副社長に就任されたのでしょうか。

福島銀行の社外役員が交代するタイミングで、鈴木岳伯社長より「SBIから役員が派遣されて来るなら森田さんが一番いい」と指名をいただいた。私自身もSBI新生銀行にいて、公的資金の返済や上場といった区切りがついたタイミングだったので、次の挑戦として良い機会だと思った。

――福島銀行の現状について、どのような課題認識をお持ちですか。

「もったいない状況」だと感じている。一人ひとりは真面目に働き、能力もそれなりにある。しかし全体として、それが良い方向に結束できていない。それぞれの部署の人たちが部分最適で頑張っている。

例えば、対面営業と非対面営業で整合性が取れていないことがあった。営業店で「この商品は対面限定で売るぞ」と言いながら、実は非対面でも買えるようになっていた。

また、キャンペーンなどで新規預金の獲得を頑張っているのに、既存の預金を流出させない策を講じていない。そのため高金利の預金が入ってくる一方で、低金利の預金が流出してしまう。結果として預金残高は拡大せず、コストだけが増えている状態だった。

森田俊平(もりた・しゅんぺい)/福島銀行取締役副社長。1974年生まれ。98年ソフトバンク(現ソフトバンクグループ)入社。2009年SBIホールディングス取締役就任、11年同社CFO、20年SBI地銀ホールディングス代表取締役、25年SBI新生銀行専務などを経て、26年6月より現職(編集部撮影)

――東洋経済の26年3月期決算の集計では、地銀全95行のうち福島銀行の預金減少率が最も高くなっています。

3月末は公金預金の金利が跳ね上がるため、戦略的に割り切って公金預金を取りに行かなかった。その分を法人や個人の預金でカバーできればよかったが、全体としての方針が明確になっていなかった。

私が就任してまず取り組んだのが、「福島銀行として、こういう方針でいこう」というコンセンサスを作ることだ。私の個人的な意見というより、みんなが「やっぱりそうだよね」と納得できる方向に持っていきたい。

――預金戦略の方針は、島根銀行のスマホ支店「しまホ!」のように全国から預金を集める施策の展開ですか。

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

ビジネス

人気記事 HOT

※過去1ヶ月以内に配信した記事の閲覧数