池上彰が読み解く「アメリカ銃社会の病弊」

なぜ市民にマシンガンが必要なのか?

テキサスは、アメリカの中でもとりわけ銃規制の緩い州だ

テキサスへ行ってきました。テキサスを見れば、今のアメリカの本当の姿がわかると思ったからです。銃の問題、シェール革命とシェールバブルの崩壊、そして不法移民。テキサスには、こうしたものがすべてあります。つまり、テキサスこそが、ジ・アメリカといえるような場所です。

日本人は、アメリカというと、ニューヨークやワシントンを思い浮かべます。またサンフランシスコやロサンゼルスを思い浮かべる人も多いでしょう。世界から集まったさまざまな人たちが生き生きと暮らす、自由で開かれた国をイメージすることが多いのではないでしょうか。

しかし、こうした国際的に発展した都市は、アメリカの中ではきわめて特殊です。むしろ、保守的なテキサスのような土地こそがアメリカです。

テキサスを見れば今のアメリカがわかる

テキサスでは2013年9月に、小学校で銃の乱射事件がありました。私はこれによって、世論は銃の所持を規制する方向へ動くのかなと思っていましたが、逆でした。子どもたちを守るため、先生が武装すべきだという論調になったのです。

実はこの乱射事件の時、真っ先に撃たれたのは、子どもたちを守ろうと外へ飛び出した校長先生でした。そこで、校長先生が銃を持ってさえいたなら、となるのです。倒錯しています。

この事件を受けてオバマ大統領は、子どもたちを守るために銃所持の規制をすべきだと表明しましたが、ところが、全米ライフル協会は、オバマは、自分の子どもは銃を持ったシークレットサービスに警備させているのに、ほかの子どもを守る銃は取り上げるのか、と言うのです。

次ページテキサスでは5歳の娘に銃の撃ち方を教える
政治・経済の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • コロナショックの大波紋
  • 日本野球の今そこにある危機
  • 新競馬好きエコノミストの市場深読み劇場
  • 溺愛されるのにはワケがある
トレンドライブラリーAD
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
先陣切った米国の生産再開<br>透けるトヨタの“深謀遠慮”

米国でトヨタ自動車が約50日ぶりに5月11日から現地生産を再開しました。いち早く操業再開に踏み切った背景にあるのが、日本の国内工場と米トランプ政権への配慮。ドル箱の米国市場も国内生産も守りたい巨大グローバル企業の深謀遠慮が垣間見えます。