ドコモ新社長、まさかの「人工知能推し」 「ショルダーフォン兄弟」の弟が、未来を語る

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吉澤社長はAIのみならず、「回線からクラウドまで手掛ける」、「IoTではMVNO(ドコモなどの通信網を借りて通信サービスを提供する事業者)と協業できる」などとクラウドやIoTについてたびたび言及した。これは、法人向けビジネスの拡大を強く意識しているからにほかならない。

というのも、国内通信契約は頭打ち。顧客単価がようやく上向いてきたとはいえ、個人向けで大きな伸びは期待できそうにもないからだ。一方で、ドコモの法人向けビジネスは、契約数に占める割合は2割、通信事業の収入に占める割合は1割に過ぎず、まだまだ伸びしろがある。

インドからの撤退やスマホ向け放送局NOTTVの放送終了など、「敗戦処理」に追われた前社長の加藤時代とは違い、吉澤時代はAIなど新分野への前向きの投資で新たな成長機会を取りに行く――そんな印象を与えた会見だった。

「ドコモをオープンな会社にしたい」

だが、実はAIやクラウドの開発・研究は親会社のNTTのほか、NTTデータなど同族企業で先行している。グループ内での投資が重複するほか、そもそも「なぜドコモがやらなければならないのか」という根本的な疑問は拭えない。

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吉澤新社長が用意したのは一枚のスライドのみ。AI、IoTなどについて説明した(撮影:尾形文繁)

ただ、ドコモには「+d」(企業とポイントやサービスで連携する取り組み)で培ったグループ外の大企業・地方自治体・研究機関との協業実績があるほか、ベンチャーキャピタル子会社・ドコモベンチャーズが発掘してくる新興企業群とのつながりもある。

会見で吉澤社長が、他社と協力する「オープンイノベーション」を強調したのには、こうした背景がある。吉澤社長は「パートナー企業を受け入れるオープンな会社にしたい」と語った。AI以外についても吉澤社長は饒舌に語った。次ページ以降はその一問一答である。

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